第560話 『歌劇 カルメン』 ビゼー
この作品は、いちど、取り上げたきがいたしますが、いまは、いま。であります。
あまたある『歌劇』のなかでも、最高の人気を誇る傑作。
なんで、そうなのか?
まず、メロディーの宝庫であること。
多くの歌劇は、全曲中に、有名なアリアや、間奏曲、バレーの場面、合唱曲がひとつ、ふたつあり、筋が面白い❗ならば、上々なところ、モーツァルト先生の、『フィガロの結婚』『魔笛』、この『カルメン』あたりは、そうしたナンバーが、ずらりと並びます。
とくに、『カルメン』は、いわば、特別な作品です。
さらに、『カルメン』は、犯罪物であり、やりようにもよりますが、かなり、扇情的です。
カルメン役のかたには、一種の、妖しさが必要で、そこに、お客は、特殊な魅力を見いだすのだろうと、思います。
言い方はわるいですが、ある種の、『オカルト・オペラ』、『18禁オペラ』、みたいな、妖しいところが、ふんだんにある歌劇でありまして(だから、最初は、不道徳だ、と、批判されたらしい。でも、人気はあったらしい。)、でも、はまったら、抜け出せない、危ない作品です。
神話や、妖精の世界でもなく、道徳や、公正さや、信仰心や、ときの支配者への賛美を、アピールするものでもなく(むしろ、逆です)、歴史ものでもない。
現実のドラマです。
明るく、健全な作品では、ありません。
ただし、ビゼー先生、原作にはない、純血派の登場人物を、ひとり、かませてきたのです。
それが、清純な、ミカエラさんです。
もし、主人公、ドン・ホセさんが、多少、カルメンと遊んでも、ミカエラさんを、離さなければ、きっと、幸せな人生を送ったのではないか、と、思うわけです。
でも、そうした、ハッピーエンドを、拒否してしまっているのが、この歌劇の、面白さなわけです。
軍隊から、脱走し、密輸組織に入り、最後は、殺人を犯してしまう、どうしようもない、あほな、主人公なのです。
ミカエラさんは、こんな男は、さっさと、捨てなさい。
『ミカエラの詠唱』は、永遠の傑作です。
しかし、さらに、絡んでくるのが、闘牛士エスカミーリォさんであります。
やましんは、この人、好きではないです。
やなやつ、なのです。
しかし、名高い『闘牛士の歌』は、圧巻です。
これを、聞かずして、オペラは語れない、と、言えるようなアリアです。
カルメンさんは、よいお歌を与えられています。
しかし、幅広い表現力がある、魅惑的で、劇的な、強い声が必要で、難しい役どころでありましょう。
純情派の、ミカエラさまと、大変、対照的です。
『ハバネラ』は、とくに、魅力的。
さらに、フルート吹きには、短いけど、なぜか、たいへん、難しい、美しい間奏曲があります。
歌劇全体のなかで、この曲と、ミカエラの詠唱だけが、純潔な世界をかいまみせるのです。
サラ・サーテさまは、ヴァイオリンのための、『カルメン幻想曲』を書いていますし、フルートには、ボルンさまの、『カルメン幻想曲』が、あります。
児童合唱も、必要であります。
さて。
で、この、まったく、異次元の世界は、あまりに、魅力的すぎる世界。
歌劇は、本格的に上演するとなると、大金を必要とします。
沢山の人間を必要とし、小道具、大道具、衣装、さらに、最近は、デジタル映像やら、奇抜な演出やら、話題になることも、しばし。
失敗すると、大変だ。
外国勢だと、入場料金も、お高くなります。
だいたい、管弦楽や、合唱団相手にして、それらをものともせず、劇場全体に響きわたる声を持つ人自体、そんなに、たくさんいるわけでもなし。
さらに、だから、日本では、なかなか、とくに、地方では、(地元有志による上演はあっても)、本格的な公演を見るのは稀です。
ある意味、東京は、特別な環境にあります。
ま、つまり、歌劇は、最高の、贅沢でありまして、夢の世界、異世界、なのです。
きらびやかな、服装の、お金持ちそうな、観客に混じり、あちこちに、有名人の姿が見え、自分は関係ないけど、ひとときの、間違った自分を演出し、休憩時間には、さらっと、おいしい、ワインなど。
さらに、終演後は、おいしい、いつもではない、ちょっと豪華な、お食事とか。
最終的には、ヨーロッパや、アメリカまで、出かける財力と、時間と、体力・気力、語学力、が必要であります。
やましんは、すべて、ありません。
これらは、夢なのです。
だから、なかなか、そうは行かないので、必然的に、録画、録音に、頼らざるを得ないのです。
それでも、制約はあれど、(やはり、劇場でみるのは、面白いのです。)せっかく、そんな、スゴイ世界があるならば、見たい、聞きたい。
アニメとちがって、実体がある存在です。
ブルジョア趣味だと、笑われても、やましん死すとも、カルメンは死せず、(あたりまえです。)
なお、『カルメン』には、違うバージョンがあったりします。
・・・・・・・・うつ 🎙️ うつ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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