第539話 『弦楽四重奏曲ハ短調作品35(ダンディーによる完成版)』 ショーソン

 ショーソン先生(1855~1899)、久しぶりの登場。


 この弦楽四重奏曲は、ショーソン先生絶筆となった作品です。


 完成したら、4楽章形式になるはずでしたが、第3楽章を書きかけのまま、ある日(日にちは、ちゃんと、分かっているようですな。)自転車のスピードを、かなり、出しすぎな状況だったのか、カーブしかねたのか、塀に激突し、亡くなりました。


 それを、友人の、ヴァンサン・ダンディー先生が補筆完成させた作品。


 こういうものは、あとから考えて、なんだか、不吉な色合いの作品だ。


 と、言いたくなりそうなところでありまして、冒頭から、ぞくぞくっと、してしまう。


 しかし、この色合いは、ショーソン先生の個性から来るものであって、不幸を暗示するというものでは、ありますまい。


 それでも、第2楽章の、何処へともわからない、虚無の空間をさ迷うような音楽は、たいへん、ハートに、ひっかかる。


 第3楽章も、テンポは上がるが、基本的な雰囲気は、あまり変わらない。


 それでも、最後は、長調で終わらせております。


 なかなか、緻密な構造。


 ダンディー先生が手を入れたのが、どこからなのか、やましんは、わかりませんけれど。


 ただ、どことなく、『ヴァイオリン、ピアノと弦楽四重奏のための協奏曲』を、ふっと、思い出す瞬間があります。


 最後を、ショーソン先生らしく、なんとか、印象的に終わらせようとしているのは、スケッチとかがあったのか、ダンディー先生の発案か、ま、そこも、やましんごときには、わからないです。


 終わりまで書ききれなかったのは、ご本人が一番、残念であったことでしょう。




・・・・・・・うつ  🌁🌁🌁🌫️🌁🌁 うつ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 


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