第538話 『チェロと管弦楽のためのロンド』 オベール

 ついでに、もうひとつ、チェロの作品です。


 オベールさまといえば(1782~1871)、日本人には、たいへん、重要な作曲家さんです。


 なんせ、かの、『フラ・ディアボロ』の、作曲者さんでありますぞ。


 なに?


 聞いたことない?


 いやいや、ごもっとも。


 なにしろ、日本で、大ヒットしたのは、浅草オペラの時代であります。


 田谷力三さま(1899~1988)の、『海賊ディアボロの歌』(岩にもたれた)は、『恋はやさし野辺の花よ』『ベアトリねえちゃん』(スッぺ作曲)などと、共に、大ヒットしたのであります。


 田谷さんが、すごかったのは、長生きして、しかも、晩年まで、活躍し続けたことです。


 『一億総活躍』の、モデルみたいな、すごい方なのです。


 やましんが、社会に出てからも、まだまだ、現役でありましたし、『おニャン子クラブ』にも、進出しておられたのです。


 浅草オペラが隆盛を誇ったのは、1917年から、1923年まで。(関東大震災で、崩壊)


 宮沢賢治さまも、田谷さんファンだったらしいですからね。


 たいへんに、二枚目で、美しい、声を持っていたのです。(録音は、あります。)


 お父様は、武士の出である家系の(旗本であったそうな。)、田谷さんが、劇場にでるのは、許せなかったらしいと、聞きます。


 そういう、時代です。


 ただ、それだけではなく、やはり、言葉にはできない、魅力あふれる方だったのであります。なんせ、晩年、テレビで拝見しても、そりゃ、カッコ良かったですから。


 やましん、残念ながら、実演に接することはありませんでしたが、テレビには、わりとしばしば出演されておりましたから、田谷さんは、宮沢賢治さまと、さ、やましんを、繋いでいた(勝手な解釈であります。)のである。


 その、オベールさまであります。


 歌劇で、名をあげましたが、若い時代には、チェロ協奏曲を四つ書いたようでありますし、ヴァイオリン協奏曲も、あるとのこと。

 

 晩年に、室内楽にもどり、弦楽四重奏曲を残したそうでありますが、聞いたことないです。


 この作品、作曲年代がわからなかったのですが、のびやかな、14分くらいかかる、事実上、協奏曲に近い作品。


 オペラ作曲家さんですし、たいへん、よく歌う、広い草原で聴くような、のびやかな、音楽です。


 なんとなく、さらっと、慰めてくださる感じです。


 


 

・・・・・・うつ  🌊 🌊 うつ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 


 


 




 


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る