第450話 『フルート協奏曲 その3 『 第2楽章』』 尾高尚忠
さて、やっと、第二楽章であります。
ここは、全曲中の白眉というべきたいへん重要な場所であります。
とても、不思議な世界で、日本風でもありながら、中東方面の音楽を思わせたりもいたしますし、なかなか一言で、どこ風の音楽なんて言えない、独特の世界を形成いたします。
といっても、国籍不明料理、国籍不明ドラマという、ごった煮状態にはならないところが素晴らしいのです。
レント、四分の四拍子。
フラット、ひとつ。
ピアノのアルペジオの上に、一拍半遅れで、Dの音から始まる六連符が現れます。
フォルテなのですが、符点四分音符と、八分音符のあと、またまた6連符が来て、Esの音で伸ばしますが、音量表示は、ピアノ。
それから、つぎは、Cから始まる同じ形、そうして、Dからオクターブ
上のDまで駆け上がって、とっとっと、とつんのめるにように、ちょっと降りた後、6連符6個と、15連符で少しずつまた、降りた後、三連符を含みながら、ゆったりと落ち着きます。
ここまでが、前半。
そこから、♭二つ、4分の2拍子で、アレグレット・クワジ・アンダンテ。
どん、つつ。どん、つつ。という伴奏に乗って、中東風旋律がすこし続きますが、突然、シャープさんひとつ、になって、カンタービレ、ほんとに歌うように、なつかしい息の長い旋律が現れますが、これが、まあ、すばらしい。
でも、そのあとがたいへん。
伴奏が付いているので、そうは言いませんが、カデンツアのような、技巧満開のおっそろしい難所になります。
トゥリラ~と、連符を重ねて、一番上のCまであがりつめまして、いっきに、一番下のCisまで落下。でまた、一番上のシ♭まで駆け抜けます。
さいごは、ピアニッシモ。
アレグレット、♭二つになって、中東風の旋律が戻りますが、そのあと、あの、すっばらしい旋律を、オケがゆっちら奏でる中、フルートは、オブリガート的に飾って行きます。
ここが、もう、最高に美しい。
いやあ~~~~、今日もまだ、生きてて良かったなあ。
いいなあ、いいなあ。😢
で、冒頭の音楽が戻って、また連符を重ねながら、しずかに消えてゆくのであります。
これ、聞かなきゃ、ほんとに、損、な音楽だと、やましんは、思います。
つづく・・・
************ うつ 🌇 うつ ************
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