第379話 『歳末特集 《ニーベルングの指輪》 ジークフリート』 ワーグナー

 さて、第2夜(三晩め)は、《楽劇 ジークフリート》。


 やっと、やっと、主人公さまの登場です。


 『トリストラム・シャンディ』(イギリスは、ローレンス・スターンさまの未完の怪物的小説。)の主人公も、いつまでたっても出て来ないらしいですが、こっちも後半戦に入って、やっとこさの登場。


 まずは、ミーメさんが登場。


 ジークムントとともに、破壊されたノートゥングの破片を手に入れた、鍛冶の名人で、アルベリヒさんの弟さまですが、どうしても、この魔剣を再生できない。


 ジークフリートは、ミーメに育てられたが、まったく恩義は感じていない。


 それは、ミーメの魂胆を見抜いているかららしい。


 そうして、自分の出生の秘密を隠しているらしい、かわいそうなミーメさんを責めるのです。


 よくやるよなあ!


 たとえ、魂胆があろうとも、育ての親だろ。


 もうちょっと、敬意を払いたまえ。


 ミーメさんは、アルベリヒにも、いじめっられっぱなしだったのです。


 見返してやりたい、と思っても、無理もない。


 ワーグナー先生は、そういうところは、まったく考慮しない。


 彼の思想に資する行動以外は、容赦なく、切り捨てる。


 こういうところが、やましんは、きらいだ。


 と、まあ、文句言っても仕方ない。


 それこそ、ワグ先生の術中かも。


 ミーメさんから秘密を聞き出したジークフリートは、剣を再生すべく偉そうにミーメさんに命令し、自分は森に入る。


 ジークフリートは、森の子です。


 一方、もう、やっけくそのミーメさんの前には、なんと、ヴォータンが旅人に身をやつして現れるのです。


 何考えてんだ、この神様は。


 そうして、知恵比べを行うのであります。


 この、知恵比べと言いますものは、いわゆる北欧神話(エッダとか、サガとか)と、ちょっと離れたところに存在した、フィンランドの『カレワラ』でも、重要なモティ-フとなります。


 しかし、ぼくたちが考える知恵比べとは、少し違うような気がいたします。


 それは、過去に起こった事実を、その真実を、どれだけ知っているか・・・


 そういう、感じ。


 ここで、ミーメさんは、絶好のチャンスだったのです。


 ノートゥングの鍛え方の秘密やらを、うまく聞き出せばよいものを。


 もう、じりじりするような、まぬけ。


 そこが、ワーグナー先生の、意地の悪いところだ。


 でも、ま、そうなってるんだから、仕方がない。


 それに、聞いても、意味が無かったかもしれない。 


 『カレワラ』でも、若きヨウカハイネンは、老ワイナモイネン(だって、生まれた時にはすでに老人だた!)に、歯が立たないのである。(関係なし)


 勝負に勝ったヴォータンは、『ば~~~か!』とかいいながら(ミーメさん、かわいそう。もう、どうしようもなく、可哀そうです。)、『恐れを知らぬ者だけが、この剣を鍛えられる。あんたは、その犠牲者よ。』みたいなことを教えて、去って行ってしまうのだ。やなやつ。


 しかし、ミーメさんは、帰ってきたジークフリートに『恐れを知れ!』と、大蛇の事を話し怖がらせようとしますが、むだ。


 ジークフリートは、自分でやった方が早いや、と、魔剣を鍛え直し始めます。


 あ~~~~ラ、不思議。


 鍛冶の技術を知らないのに、剣はどんどんと再生されて行くではありませんが。


 さすがに、にぶいミーメさんも、こいつが恐れ知らぬ英雄と悟り、この際、ジークフリートに、大蛇(ファフナー)を退治させ、その後、毒殺して、世界を支配してやろうと計画するのだあ!


 こいつは、ミーメさん、まずかった。


 なぜ、正義の為に立ち上がらない?


 いや、ま、まてよ、正義って、なに?


 ワーグナー先生!


 あなたの正義って、なんなのですかあ?


 世界制覇かい?


 やがて、ワーグナーさんの死後、その音楽は、独裁者Hに利用されて行くのですが・・・・。


 ジークフリートは、ついに、かなとこを、剣で、たたき割るのであった!

 

 


 やましん、ここで、ダウン。




  ************  休憩  **********



 え、休憩をいたしました。


 しかし、どうもお手洗いを手放せないので、あとはすっきりと・・・・


 お話は、急展開をします。


 アルベリヒとヴォータンが大蛇ファフナーのいるあたりで遭遇。


 騙し合いのようになりますが、さらに、ミーメさんは、ジークフリートを連れて、大蛇のファフナーの眠る場所に行き、とりあえず、逃げてしまいます。


 ジークフリートは、小鳥たちのさえずりに合わせるようにと笛を作りますが、すっごいへったくそ。(ちょっと、笑わせる場面。)


 ファフナーが目覚めてしまう。


 ジークフリートは、大蛇のファフナーを倒すが、ファフナーは、ミーメに気を付けろと言います。


 ミーメは、ジークフリートに毒薬を飲ませようとするが、ファフナーの血を舐めたジークフリートは、小鳥の言葉がわかる様になり(なんだそりゃあ! あら、やましんだって『ゴキ大将』や『はとさぶろ』書いてるだろ?・・・はい・・・)

、ミーメの策略を教えられる。


 号外!、号外!


 『ミーメさん、ジークフリートに殺害さる!』


 小鳥たちは、ついでに、ブリュンヒルデの存在を教えます。


 アリべりヒさんは・・・・、あれ、このあたり、なんだか筋が不明瞭。


 やましん、痴ほう状態化!


 


 

 ヴォータンは、エルダに自己の正統性を与えてもらおうとするが、逆に、滅亡を予告され、エルダを永遠に葬るのだ。


 やがて、ジークフリートは、旅人ヴォータンと遭遇し、対決。


 ヴォータンの権力の象徴である、槍を剣で叩き折ってしまう。


 速報! 速報!


 『ヴォータンさん、ジークフリートに敗れる!』


 ヴォータンは、哀しく去って行くののである。


 で、もう、やましんは、このあたりで、限界となり、倒れてしまうのであります。


 しかし、お話はまだ続く。


 ここからが、この楽劇最大の見どころなのです。


 ジークフリ-トが、ブリュンヒルデが眠る、ローゲにより燃え上がる現場に到着。


 ついに、その関門を突破するのだあ!


 『男ではないぞ!』


 と叫ぶ、ジークフリート。


 あまりに、あほら、ばかばかしいセリフで、聞くところによれば、歌手の方も、そうとう、ここは、あほらしいらしいとかも・・・(やましんの聞き違いか、妄想でしょう。)


 たしかに、ミーメと、大蛇とヴォータンしか会ったことがない、ジークフリートさんだから、なるほど、そうかもしれない。


 そうして、神性を失った、ブリュンヒルデは、いささか、逆らいながらも、やがてジークフリートと愛を交わすのである!!


 てえ、何も知らない、はずなのに、そこは、すぐに行ってしまうのか?


 まあ、とにかく、やましんごときには、付いて行けないお話となり、幕となります。


 約、4時間。いや、舞台なら、休憩とかひっくるめたら、も、っとかな・・・・・


 

 さて、聞きどころは、満載といえば、満載。


 ジークフリートと、小鳥の会話のあたりは、特に有名。(『森のささやき』と、呼ばれています。)


 まあ、神話などにもとずく、一種のファンタジー巨編ですから、いろいろと合理性を欠くのは、仕方ないとしても、問題は、ワーグナーさんという方は、それだけで終わらせるつもりはない方。


 アルベリヒ、ミーメ、ヴォータン、ファフナー、エルダ。


 それぞれが、神様や不思議な力を持つ精霊で、さまざまな技術や知識に富み、絶対的に強いはずなのに、相打ちや、兄弟げんかもあるけれど、結局、ヴォータンの血筋ではあるが、人間でもあり、またく無知のジークフリートが、最後、お宝と共に、ブリュンヒルデに行き着く。


 ワーグナーさん、何を言いたいのか?


 まずは、さて、この先どうなりますか?



 もうだめ、 ワーグナーさんは、長すぎる。


 むかし、天才少女ヴァイオリニスト、ワンダ・ヴュウコミルスカさまが、ブタペストの歌劇場で『ニュルンベルクのマイスター・ジンガ―』(これも、喜劇とは言え、ながいながい。最後のあたりは、もう、いかげんにしてほしい、またく、いかげんにしてよね、しつこいなあ・・・と、やましんなどは思うのですが・・・)第3幕のとき、彼女がお気にいりだった、大指揮者、オットー・クレンペラーさま(おっそろしいことと、裏表があることでは、トスカニーニ様にも負けないくらい、おっそろしかったらしい・・・・)は、あくびをしてしまった彼女に気が付き(19歳から、なんと、コンサートマスターだった。)、こう、おっしゃったそうな『もうお帰りなさい。ワーグナーは子供には無理だ。』と。ちなみに、この方の、ソロした録音は、最近あまり国内では、出てないようですけど、すっごいですよお。切れ味抜群。これまた、こわいくらいです。


 すぱっ!


 と、いかれます。


 ノートゥングにも、負けないでしょう。


 やぱ、天才には、手がつけられない。



 ******** 歳 うつ 😿 😿 😿 うつ 末 ******** 



 


 


 

 

 

 


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