第371話 『歳末特集 その5』 《クリスマス・オラトリオ》 J.S.バッハ

 よのなか、クリスマスですなあ。


 やましんには、縁がないです。 


 ときに、『なんとかの七不思議』というものは、おそらく、相当沢山この世にあることでありましょう。


 『世界の七不思議』の出どころは、どうも、紀元前2世紀ごろ、フィロンさんという、イスタンブールの技術者さんが書いた論文に起源があるらしいです。


 そこで語られているのは『世界の七大驚異』なのだそうであります。


 『七不思議』というのは、日本語の呼称で、ただしい翻訳語ではないとのこと。


 ところが、フィロンさんの挙げたリストは、完全には伝わっていないらしく、いくつか異論があったものの、おおかた次の七つだとされるのだとのこと。(『怪奇 謎 日本と世界の七不思議』 別冊歴史読本 昭和58年 酒井傳六さまの項目参照)


 1 エジプトのピラミッド(複数形)


 2 エフェソスのアルテミス神殿

 

 3 バビロンの吊り庭


 4 オリンピアのゼウス像


 5 ハリカリナッソスのマウソロス王の墓


 6 ロドス島の巨像


 7 アレクサンドリアの灯台


 このうち、現存するのは、エジプトのピラミッドだけですが、当時ギザのピラミッドは入れない状態で、現代想像するものとは違う意味だったようです。


 とはいえ、今見ることができるのは、そのピラミッド群ということですが、こいつには『三大ピラミッド』といわれる、そのギザの大ピラミッドが、ぼくらの頭には大体思い浮かぶわけです。(クフ王・カフラー王・メンカウラー王)


 それは、ちょうど、オリオンの三ツ星と同じ配置になっているとか、また、さらに、世界各地に、ピラミッドと呼ばれ得る構造物があります。(日本にもある。ただし、ほんものかどうか、なんだか怪しいのも・・・ただの山じゃないのか?)さらに、ぶっ飛んで、実は火星にも、多数のピラミッドがある、なんていうお話もあったりいたします。


 ま、ここは『うつうつ』なので、そういうオカルト方向には参りません。


 さて、やっとこさ、大バッハ先生ですが。


 大バッハ先生の巨大な声楽作品のなかで、三大作品みたいなものを挙げよ、と言えば、まずは『受難曲』でして、きっちり現存しているのは『マタイ』と『ヨハネ』のふたつです。


 これを、無謀にも、ひとくくりにしまして。


 それから、もうひとつ『ミサ曲ロ短調』があります。


 これも、後になって、既存の作品をひとつの『ミサ曲』にしてしまった、みたいな成立事情があるようですが。


 で、あとひとつが、この『クリスマス・オラトリオ』であります。


 これは、クリスマス期間(むかしは、2月2日までの期間と考えられていたんだそうでありますが)の、降誕節第1日(12月25日)から、顕現節1月6日までの祝日6日に分けて、演奏するように仕組まれた(やましんには、よくわからないけど・・・)ようで、つまり、いっぺんに演奏されるものではなかったようです。

 

 ただ、現在は、コンサートで演奏される際は、一度に全部演奏するのが普通。(部分だけのこともあるかも・・・)


 その全体は、したがって、6つのカンタータから構成される連作オラトリオであります。


 全部演奏すると、CD3枚分。約2時間半かかります。


 おおかた、『ロ短調ミサ曲』『ヨハネ受難曲』と、『マタイ受難曲』の、あいだ位かな。


 言葉は、ドイツ語であります。


 やましんも、こいつは、なかなか、なが~~~いよなあ。


 と、思って、長く、敬遠しておりましたが、お仕事を辞めてしまった後は、CD3枚くらいなら、そう長くはない気がしております。


 勝手なものです。


 そこで、まあ、どちに転んでも、あとは、終わるだけだしな、と考えたりもしながら聞きますと、いやあ~~~これが、じっつに、じゅわじゅわな、良い音楽なのですでよお。


 バッハ先生は、自作を使いまわしするのがお得意の方ですから、この作品の中身も、オリジナルじゃない、旧作の改作が多いのですが、言い方を変えますと、いかにもクリスマスにふさわしいような、じゅわじゅわなものを、バッハ先生自ら選んだような感じがございます。


 第2部の最初には、『シンフォニア(パストラール)』が置かれていまして、いかにもクリスマス気分を高めますが、たとえば、コレルリ先生やマンフレディーニ先生の名高い『クリスマス合奏協奏曲』とかもそうですが、その種の『クリスマス』にちなむ作品には、このパストラールが入って来るのが普通のようです。


 これは、なかなか深遠なお題目で、やましんごときには、どにもなりませんが、

音楽における『パストラール』は、クリスマス・イヴとの結びつきが深いとのことでありまして、いかにも、そういう雰囲気を醸し出すのです。そうなのです。(なんか、役所の窓口みたいかな?さいきんは、やさしいですよ。)


 まあ、そういう感じで、全体に、なんとなく、クリスマス気分が横溢しているように、やましんは感じます。はい。


 実際は、なかなか、全部聞くのは、ファンは楽しくて仕方がないのですが、それほどでもないかたは、いかにも苦行のようになるかもしれませんから、この『シンフォニア』だけを、まずは、聴いてみるのは、良い方策でありましょう。


 有名曲なので、見つかりやすいとは思いますが。


 おきに召しましたら、第1部をどうぞ。


 あたまから、たいへん、印象的な音楽‼️


 ね、傑作でありましょう😃

 


 せっかくの、世界遺産クラスの音楽ですので、ちょっとだけでも、この時期、触れてみてはいかが?(あ、いつも触れてる方も、まあ、ついでに、どうぞ。)  ⛄


 1734年から35年に掛けて、みっつ書かれた、オラトリオのひとつであります。


 バッハ先生には、何時書かれたか、いつ、初演されたかわからない曲も多いですが、これは、はっきりしているようであります。




 ******** うつ 🎄 🎅 🎄 うつ ********







 


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