第345話 『弦楽四重奏曲第1番』 チャイコフスキー
第2楽章『アンダンテ・カンタービレ』だけが、なぜだか飛びぬけて有名です。
こうした例は、バーバー先生の『弦楽のためのアダージョ』でも見られます。
そちらは、『弦楽四重奏曲作品11』の第2楽章を、大指揮者、トスカニーニ先生に勧められてご本人が編曲したものが有名になったようです。
チャイコ先生の場合は、どうしてそうなったのか、くわしいことは存じません。
あまりに美しかったので、自然にそうなったのかも?
しかし、へそまがりのやましんが申し上げるのもなんですが、やはり全曲聞きたいところです。
第1楽章も、チャイコ先生らしい、じゅわじゅわな、良い音楽です。
これを飛ばしてしまうには、あまりに、もったいないです。
4楽章構成で、30分弱くらいです。
クラシック好きにしてみれば、30分というのは、それほど長くはないのですが、普段お聞きにならない、お忙しい皆さまには、相当長いもののようです。
しかし、やはり、第1楽章あっての第2楽章です。
飛ばしてしまうのは、主語を聞いてない感じです。
やましんは、抜き聴きも好きですし、ちょっとずつ沢山の曲を聴くのもおもしろいのですが、時間を作って全曲聴いてみるというのは、未知の世界を探る、アドヴェンチャーみたいなものです。
ま、とはいえ、確かに第2楽章は美しい。
いくらか、俗っぽいのも魅力。
1876年12月の演奏会では、ここで、トルストイ先生を、泣かしてしまったということです。
どうやら、ウクライナ民謡に触発されたらしいですが、その民謡は聞いたことないです。
第3楽章も、ちょっと放浪気味で、やや暗めだけれど、なかなか良い音楽です。
さらに、第4楽章は、日本人好みの、楽しい雰囲気のロシア節満開。
そこに宝物があるのに、素通りは悲しいですよお~~~!
癒し効果も、第2楽章中心にかなり高い。(個人差あります。)
1871年2月の作品。
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