第286話 『さあ太陽をよんでこい』 山本直純

 このおうたが、どのようなジャンルに分類されるのか、やましんは、いささかはきりといたしませんが、すばらしい傑作。


 最近、ということもないのですが、甲子園の高校野球とか、花園のラグビーとか、Nコン(NHKコンクール)とか、まあ、そうした場所に登場する皆さまは、非常に高いレベルに達している若い方々です。


 こうした、頂点を目指すことは、どの分野でも必要なことで、そうでなければ、一定の水準さえ維持が出来なくなるかもしれないです。


 二番以下の人を大切にする社会は必要ですが、一番を目指す人がいないと、進歩はありませんから。


 しかし、主席の方がいれば、末席の方もいらっしゃるわけです。(やましんは、教科にもよったけど、国語と社会と音楽以外は、だいたい、おしまいに近いあたりでした。)


 個々の利益を追求する企業であれ、社会的な利益を図ろうとする政治家さんや全体の奉仕者である公務員さんであれ、(あまり、そうじゃない政治家もいっらっしゃるようですが)厳しい競争があるわけです。


 しかし、どうやっても、上位には入れない人はいるわけですし、そうじゃないと、上位の人の意味はなくなります。上位の人を支える存在が(みんながあらゆる点で、まったく同質で、全員が95点ならば、誰かが『故意』に、ランク分けや、順番を付ける必要が出てきます。)、あるいは犠牲になる存在が、あるのが、まあ普通です。


 よく、その分野、または、全体的に『底辺』と、呼ばれる存在の人びとです。(やましんも、思いっきり転落して底辺。まあ、仕方ないけど、気分の良い言葉じゃないですよね。基礎とか、基盤とかにしてほしい。)


 もんだいは、この、いわゆる『底辺』の人たちも、同様の社会資本を使い、それぞれの自分の人生を、正当に、まっとうできる社会体制が、きちんとあるかどうか、ここが先進国かどうかのひとつの基準になるような気も致します。


 それは、お金儲けとは、違う部分になるかもしれないです。


 余談ですが、やましんは『余暇』という言葉が大嫌いです。


 この言葉には、どこか支配と、被支配の関係が、あたかも幽霊さんのように、ふんわりと、紛れ込んで来ている気がするからです。(休日は、上司とゴルフ、が、かつて流行りましたが、あ、個人の自由です。)


 なんて、『うつうつ』で考える事ではないのですが、山本直純さまは、モーツアルトさまも真っ青、くらいの、天才少年だったと聞きます。


 しかし、生涯を通じて、さまざまなお仕事をなさったに違いないですが、クラシック音楽を、あまねく、世に広めることに、大きな功績があった方です。


 残念ながら、お会いした事はないですが。


 ただ、あまり、作品自体をじっくり聞かせていただく機会が、しろとには少ない状態な気は致します。


 で、この曲、子供向けの音楽だろ!


 と、なめてはいけません。


 やましんの手元にある楽譜は、おうたの旋律線だけですが、まず、ホ短調で始まり、やがて歌詞のない部分にいたると、がらっと、転調するのです。


 シャープが、ひとつから、よっつになる!


 ホ長調です。


 でも、この部分自体が、おしまいで、また、くるっと転調し、ホ短調に戻るのです。


 すばらしいです。


 なお、歌詞は、石原慎太郎さま。


 なんだか、この先、きっと、各人に、それぞれに、良い未来がやってきそうだぞお!


 と、期待できる歌詞です。


 みんな、若かったのです。


 いずれにせよ、20世紀の、当時の新しい若者たちを代表した、傑作。


 ここから、なにを見出すかは、でも、その人それぞれです。


 落日の日々のやましんにも、なにか、ちょっとだけ、良いことが、期待できそうな感じかな。


 最近、耳にしないなあ。もったいない。



✳️調性の違う楽譜も、あるみたいです。




******** うつ(き) 🌅 🌞 🌅 うつ(き) *******




  






 

  

 





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