第268話 『アスラエル交響曲』 スーク
作曲者のヨセフ・スークさま(『スク』のほうがより正しいらしいです。1874~1935)は、チェコの作曲家さま。
つい最近までご活躍であった、ヴァイオリニストの、ヨセフ・スークさま(1929~2011)は、お孫さんにあたるかた。
ドヴォルザーク大先生のお弟子さんであり、奥様は、その娘さん。
なんだかんだと申しましても、御家族に音楽家の方がいらっしゃるのとそうでないのとでは、(さまざまな分野でそうですが)お子様の将来に、大きな違いを生むことは、否定できないです。すべてが、そうではないですけれども。
それはともかくも、ドヴォ先生が、1904年になくなったとき、スク先生は大きな衝撃を受け、それを乗り越えるかのように、この作品を書き進めました。
ところが、第4楽章まで来たときに、こんどは、奥様を失うという悲劇に襲われたのだそうであります。
それでも、続きを書き続け、5楽章形式の大作が生まれました。
『アスラエル』とは、死者の霊に付きそう天使様のことだそうであります。
音楽自体は、なかなか複雑なもので、ドヴォルザーク先生の音楽を思い出させる(たとえば、ドヴォ先生が『交響詩』によく使ったモティーフに、どこか通ずるような・・・)断片が、聞こえたりもします。
一方で、新しい時代のスーパー・スターだった、リヒャルト・シュトラウス先生のような響きも聞こえますし、終楽章あたりには、無調音楽に行きそうな雰囲気もあったり、・・・。
しかし、全体的には、後期ロマン派の音楽の枠に、収まっています。
追悼の意味合いが強い割には、なかなか、カッコよい部分も多いし、大きく盛り上がるところもあります。
けれども、最後の終結部は、けっこう、しんみりと、させられてしまいます。
1905年から翌年にかけて作曲。
まだまだ、お若い時期ですが、これがまた、ものすごい力量がある方だったことが、これを聞くと、じわっと分かる気がいたします。
とはいえ、「じゃあ、ほかの曲は、良く聞くの?」
といわれますと、全然そうではありません。
ヴァイオリンの小曲が、レコードやCDの、時間が空いた場所に、細々と入っているものを聞く場合はありますが・・・
もたいない作曲家さんですが、なかなか、やましん、手も頭も予算も、まわらないのであります。
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