第269話 『弦楽四重奏曲第2番』 ボロディン
本来、大学の化学の先生だったという、ボロディン先生。(1833~1887)
研究熱心で、学生の面倒見も良く、しかも、大変社会的モラルが高く、午後9時以降は、ご近所の迷惑になるからとして、ピアノを弾いたりしなかったらしいです。
夜中だろうが、何だろうが、思い立ったらバンバン、ピアノは大音量で弾くは、奇声はあげるは、やりほうだいだったらしい、ベートーヴェン先生とは、大違いです。
しかし、おかげで、あまり作品をたくさん仕上げることは出来なかったようです。
代表作とみなされる感じもある、歌劇『イーゴリ公』も、ご本人が仕上げた部分は少なく、結局のところ、どなたの作品なのか、いささか問題があるとか。
それはともかく、この曲は、ボロディン先生の天才の証し。
全体は、欧州中央の伝統的スタイルを踏襲して、4楽章形式。
『ロシア五人組』のメンバーとしては、かなり大人しい形ですが、ことこの曲に関して言えば、結果的にはそれがよかった気がします。(ロシア五人組=バラキレフさん、リムスキー=コルサコフさん、クイ(キュイ)さん、ムソルグスキーさん、で、ボロディン先生。)
冒頭から、大変にじゅわじゅわで、とっても、結構な主題が開始されます。
いいですなあ。
ロシア的というよりも、なんとなく東洋的な感じがするのが、ボロ先生の特徴のひとつ。
『ロシア五人組』と言われる方々の中でも、かなり、貴公子的な雰囲気があるのです。
すばらしい、音楽です。
一番有名なのは、もちろん、『第3楽章』の『ノクターン』。
ここだけが取り外されて、さまざまな形で演奏される、超有名曲。
『イーゴリ公』の名高い『だったん人の踊り』と並んで、ボロディン先生が書いた、最も美しい旋律のひとつ。
ただし、あまり、これも、必ずしも、ロシア的とは言えない気がします。
そこが、また良い。
強すぎるあくがなく、たいへんに、聞きやすいのです。
やましん、個人的には、『第4楽章』は、いささか問題ありと感じております。
ちょっとフーガのような雰囲気を持った、大変、意欲的に書かれた音楽ですが、あまりうまくいっていない。
あくまで、やましんの個人的な感想です。
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