第220話 『ソナタハ長調』 ガルッピ

 ガルッピ先生(1706~1785 ヴェネチア)は、オペラ・ブッファ(市民的な題材を扱う歌劇)の作曲家として知られた方ですが、その一方でこうしたチェンバロ(ピアノ)のためのソナタの作曲者としても知られております。


 このハ長調の作品は、『第5番』と言われることもあるようですが、やましんの手元にある『ピアノソナタ全集』では、そうした分類はしていません。


 このあたりの事情は、調べておりません。


 このハ長調の作品は、かなり昔から、アルトゥーロ・ベネディッティ・ミケランジェリさまのレコードで良く知られておりました。


 録音嫌いで、また凡人にはまったく及びもつかない超絶的な音感をもち、完璧主義者として知られておりまして、かつて来日時にも、ひたすら律儀にただ契約遂行を迫る日本側の招へい元と、音楽的な見地からの要求を出すミケランジェリ先生との間で、トラブルを起こしたことで知られます。(やましんごときがなにをかいわんでありますので、詳細は割愛。)


 いずれにしても、この録音があまりにすごかったので、あの、かちんとした『音』が、帝王のように頭に住みついている関係で、なかなか他の録音がそこに入り込む余地は厳しい感じがしておりましたが、手元の Peter Seivewrightさまの録音は、大変結構なものであります。


 ちょっとロマンティックな雰囲気も(音の長さとか符点リズムの付け方とか、の問題か・・・)漂う演奏ですが、良い演奏で、なかなかじゅじゅわと慰めてくださいます。(divine art dda 25103)


 分散和音の上に旋律が流れる、古典派的な音楽で、当時はまだ新機軸なやりかただった時代らしいです。


 大げさに言わない、大口をたたかない、誇張しない、誇大妄想しない、大声で演説したりしない、脅迫しない、実に爽やかな、さわやかな音楽です。大好きです。



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