第186話 『無伴奏フルート・パルティータ』 J.S.バッハ

 神秘的で、深遠で、難しくて、それでも、1回はステージに乗せたいという、しろとの深い憧れを集める、『なんとか48』とかいうような、女子グループみたいな(これは失言に近い・・・)音楽。


 実際、これは、ほんとうに、フルートのための音楽なのかあ?


 とも、思います。


 というのも、ブレスの場所が(息継ぎの場所)まったく考慮されていないようだ、という恐るべき事実があるからです。


 もっとも、当時のフルートは、今より息が持ったというお話もあるので、これでいいのだ! なのかもしれませんが。


 伴奏が入らないので、その意味では、裁量の範囲が広いとも言えますし、ピアニストとのあわせも必要なし。だから、気が楽ちん。


 とも、言えます。


 したがって、スケジュールがたちにくい、サラリマンさんフルート吹きには、大変に都合が良い面もあります。


 それにしても、真っ裸なので、弱点も欠点も丸見えで、実力も、ちゃんと練習したかしてないか、とか、健康状態とか、精神状態とか、寝不足だとか(?)、あらゆる事実が、聴衆の目の前に、すべてあからさまになるであろうかしら・・・、という、オッそろしい音楽でもあります。


 それは、『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ』と『パルティータ』もそうです。


 とはいえ、だからと言って、やらないままでは、いつまでたっても出来ないのだ!


 こうした音楽は、いっ発の気合いも重要なのだ!


 でも、気負い過ぎても上手くは行かないのです。


 そこがむつかしい。


 いささか語弊が大きいが、このタイプの音楽は、まさに、真剣勝負の様相があります。


 心静かに、全身に集中力を集めます。


 現在のフルートは、金属製が多く、まあ、見た目も、あたかも、刀を構えているようなイメージで挑戦するのです。


 そうすれば、いつの日にか、やましんにも、道が開かれるであろう。


 そういう、けっして訪れる事のない幸運を、ただ待つのみだった、まちぼうけ、やましんでした。


 まあ、それも、賞味期限切れになりましたが。


 『無伴奏フルート・パルティ-タ BWV1013』であります。


 ゆっくりとした『サラバンド』が、不滅の傑作。


 この深い深い音楽は、たぶんフルート音楽の最深部を形作っていると、やましんは、思いますのであります。はい。 


 

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