第185話 『交響詩 夜うぐいすの歌』 ストラヴィンスキー

 もともとは、歌劇の中の音楽を編曲したもので、初演は1919年。


 お話自体は、皆様よくご存じの、アンデルセンさまの童話によるもの。


 本物のウグイスさんと、王様に贈られた機械のうぐいすさんと、病気になった王様のおはなし。


 やましん、幼稚園生の時に買ってもらった『世界童話宝選集』(小学館)という700ページ近いでっかいご本をいまでも宝物にしております。


 これを、幼稚園からおうちに持って帰るのは大事でした。


 いまなら、片手でなんとか持てる分厚さと重さですが、幼稚園児には、ブロックを持たされたようなもので、そりゃもう一大難事業でした。


 その一番最後の、『第100話』に載っていたのがこのお話です。


 中国の昔話、となっておりまして、機械のうぐいすは『日本製』とされております。


 1843年の初版ということからして、日本の皇帝が贈った『機械のナイチンゲール』というものは、いたい何だったのでしょうか?

 

 ときに、ストラヴィンスキー先生(1882~1971)は、こうした昔話とか伝説のようなお話を扱うのがとても上手です。


 『ペトルーシュカ』や『火の鳥』もそうですね。


 『春の祭典』も、いささかホラー的ですが、そうした太古の儀式的内容です。


 この曲は、でも、いかにも、ストラヴィ先生らしい音楽でもありますが、中国的な笛の音も聞こえ、これはまた、とっても良い雰囲気。


 日本人にも不可思議なかかわりがあるとなれば、なおさら興味津々。


 フリッツ・ライナー先生指揮のシカゴ交響楽団による録音がいい。


 というより、やましん、それしか聞いてないです。


 フリッツ・ライナーさまは、とにかくオッソロしい先生だったというイメージが強くて、笑顔など想像しがたい方のおひとりです。


 音楽に関しては、一切妥協を許さない方で、共演するソリストさんとも喧嘩が多く、周囲は大変だったとかも言われ、オケとの労働争議のような事態も多かったとか・・・でも、それだけの実力はあった。と。


 レナード・バーンスタインさまは(ウェストサイド・ストーリーの作曲者でもあり。)お弟子さんのおひとり。

 

 実際、この20世紀前半期には、独裁的な指揮者様が多かったことは、事実なようで、トスカニーニ先生も、クーセヴィツキー先生も、クレンペラー先生も、そうしたタイプな感じです。


 ブルーノ・ワルター先生は人道主義者で、妥協はしないが、楽員を個人攻撃するようなことは、しなかったらしいですな。


 この時代は、大作曲家さまは神様で、指揮者さまはエリート階級で、オケの奏者さまは『職人=労働者』さんという、長年のなごりが強くあり、どうしても、指揮者さまの権力が強大になる傾向はあったようであります。


 近年は、オケの楽員さんの方が、むしろ、学歴などが高かったりもするので、こうした図式は、あまり成り立たなくなっているようなお話も聞きます。

 

 表には言わないけど、やな指揮者さん、とか、個人的にはつきあいたくはない指揮者さんとかは、そりゃあまあ、どこの職場にもいらっしゃるモノでありましょう。


 しかし、結果的に楽員さんを豊かにしてくれる指揮者さんは、いい人かも。


 そのためには、お金も持ってる、神様以上のある、『聴衆』という人々(お客様=上得意様)を、納得させる必要が、ありかな?(これはきっと、失言の部類ですか。) 



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