第176話 『チェロ協奏曲イ短調 』 シューマン

 シューマン先生(1810~1856)の、隠されていた傑作。


 なんせ、きちんと初演されたのは、1860年4月23日だそうですから、シューマン先生はすでに亡くなられたあとです。


 楽譜の出版は、先に行われていたということなので、なんで、このような良い音楽が取り残されていたのかはわかりません。


 『ヴァイオリン協奏曲ニ短調』のように、オカルト的な逸話が残されているようでもなく、なんとな~く、取り残されていた感じです。


 『チェロ協奏曲』の分野には、ちょっと古い時期のボッケリーニ先生(1743~1805)にかなりの数の『チェロ協奏曲』があり、割と有名な作品もありますが、その後の、古典派時代には、あまり目立った作品が見当たりません。


 そこに登場してきたのが、この、シューマン先生の傑作であります。


 全体が通して演奏されるようになっていますが、内容的には3楽章構成。


 いかにも、シューマン先生らしい、やや、うつうつ気味の、でも魅力的な旋律を持つ『第1楽章』が、まず素敵。


 そうして、これは、もうすでに『あの世』のお歌のような、割と短い『第2楽章』は、ものすごく、なんとも、やましんの心に、ずきっと感じ入ってしまう独特の音楽で、ちょっと『ヴァイオリン協奏曲』さんの『第2楽章』に通ずる絶滅感があります。


 『第3楽章』は、これはまた、稀に見るすんばらしい音楽です。


 チェロ弾きさんの腕の見せ所でもあり、最後、大いに盛り上がって終わるところなんか、もう最高に感動的であります。


 多少、じみで、いくらか陰りが多いせいかどうか、また、シューマン先生には『ピアノ協奏曲』という超大傑作があるためなのか、大々的に世間に出回らない感じはありますが、おそらくドヴォ先生の作品と並び称されてよい作品でありましょう。


 なお、『ヴァイオリン協奏曲』バージョンもあります。 


 なになに、サン=サーンス先生の『チェロ協奏曲』兄妹さんが文句言ってる?


 それは、失礼いたしました。


 もちろん、サン=サン先生の二曲ある『チェロ協奏曲』さんを、忘れてはなりません。


 え? エルガー先生の『チェロ協奏曲』さんが文句言ってる?


 もちろん、もちろん、近代の『チェロ協奏曲』さんの代表が、エルガー先生の作品であることは、間違いがございません。はい。


 え?ビュータン先生の『チェロ協奏曲』兄妹さんからも、文句が来ている?


 はいはい。ビュータン先生の『第1番』は、やましん大好きです。


 ええ? ヴィヴァルディ先生の作品さんからも苦情ですか・・・・。


 ショスタコーヴィチ先生の・・・・・


       ・・・・・・・はい。今回はここまで。おしまい。



 


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