第167話 『悲しきワルツ』 シベリウス
シベリウス先生最高のヒット作品。
もっとも、単独の作品ではなくて、もとは、劇音楽であります。
だから、本来は、劇を見ながら、その背後で演奏される訳なんでしょう。
あ、ま、現代で言えば、テレビドラマのバックで流れる音楽な訳ですね。
そこんとこを、思いながら聞くと、つまり、単独の小品ではなくて、本来、大きな劇の全体の一場面なんだと考えて、聞くと、何か違うものが、浮き上がってこないかなあ~! と、思うのであります。
何が浮かぶんだよう?
ま、この曲は、現代的に言えば、オカルト的要素がある音楽ですから、そこに浮かび上がるもの、と言えば、それはもう、あなた、あれしかないでしょう。
元の劇は、シベ先生の奥様、アイノさまのお兄さん、アルヴィド・ヤーネフェルトさまがお書きになった『クオレマ』(死)であります。
メーテルリンクさまからの影響も大きいらしいのですが、このあたりの分野も、実際やましんの守備範囲ではありません。劇は見たことないですし、読んでもないです。
『パーヴァリ』という方の生涯をたどるドラマという事で、まずは、亡くなりつつあるお母様のベッドわきから始まるのだそうです。
お母様は、おそらく幻想の中で、死神様と最後のワルツを踊り、亡くなってゆくのです。(劇では実際に起き上って踊るとのことですが・・・)
その場面の音楽が、この『悲しきワルツ』であります。
冒頭から、このあまりに哀しい場面の背後に、この曲が流れることを想像すると、たぶん劇の実演だったら、やましん、泣くと思います。
しかし、その後、この曲だけが、・・・・演奏のしようによっては、娯楽的な優雅な曲調にもなるのですが、ちょと、気持ち悪い音楽として、・・・・・その独特な妖しい雰囲気も手伝って、『劇』そのものから独立し、世界的な超有名曲となりました。
これは、シベ先生にとっては、莫大な収入源となり得る、ということでもあります。
ところが、シベ先生は、当面お金が必要だったのかどうか、この『悲しきワルツ』の版権を、随分お安く(300マルクとか。)地元の出版社に売ってしまったのだそうであります。
シベ先生は、1903年にこの劇音楽の作曲に励みましたが、11月に初演が予定されていたのだそうですが、作曲に手間取り、初演は12月になりました。
全部で6曲の弦楽合奏曲を書いたとのこと。
その後、1911年の改訂上演に当たって、2曲追加し、『悲しきワルツ』も改訂して再演されたとのこと。(詳しい事は、スウェーデンBIS『シベリウス全集』第5巻{劇音楽}』の解説あたりをどうぞ。)
ときに、この種の劇音楽と言えば、グリーグ先生の『ペールギュント』が有名で、その中にある『オーゼの死』は、ペールギュントさんのお母様の死に行く姿を描いた音楽です。こちらは、劇音楽版のCDが出たことがあり、音で劇を聞きながら、音楽を聴くことができます。やましん、これも最初に聞いた時は、泣きました。当時、まだ母は健在でしたが、いまはちょと、劇伴は聞けないだろうなあ・・・と思います。
まあ、音楽だけなら大丈夫。あ、3月には、『ペールギュント』から3曲、フルート・デュエット版で、公開の発表会で吹く予定。そのほうが、こあ~~~~~~~!! 人間世界は、やましんには、実に恐ろしところ、なのでありますから。
************うつ 😿😢 うつ ************
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