第148話 『弦楽五重奏曲 D956』 シューベルト

 シューベ先生、亡くなる直前の大曲です。


 かなりの時間を用意した上で、なおかつ、覚悟して聴かなくてはならない音楽です。


 特に第2楽章は、自分の葬儀で使って欲しいというお方も、かなりいらっしゃるのではないか、(過去、そうおっしゃった偉人様もあると聞きます)という、気高い音楽で、中間部には、かなり緊張感溢れる場面もございます。


 第3楽章は、一番親しみ易いと言えば、そうなのですが、ここも、いささか奥深い中間部がありまして、あまり楽観的な音楽ではないです。


 終楽章は、確かに生き生きした側面を、まずは見せますが、終末に近づくと、かなり恐ろしくなります。

 

 なんとも言えない、どうにもならない虚無感と言いますか、シューベルト先生独特の底無し穴があり、しかもこの曲の穴は、かなり特大のブラックホールのようです。


 直前に迫っていたご自身の死を、強く予感していた感じさえいたしますが、これは、もちろん結果論です。


 あまり、癒しにはならないのですが、他に入れる場所がない。


 冗談で生きてるようなやましんが、シリアスな恐怖感に襲われてしまう、冗談にはならない、でも、多分、生きてるうちに聴くべき、シューベ先生の傑作の一つ。



 ・・・・・・うつ🌼うつ・・・・・・・

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