第132話 『交響曲第2番』 ボロディン

 やましんは、旧上司先輩後輩方に、再度指摘されるまでもなく、社会にやくたたずの『ボロ人』ですが、こちらは、ロシア五人組のお一人、ボロディン先生(1833~1887)の作品であります。


 ボロディン先生は、大学の化学の先生が、本職とか。


 真夜中だろが、なんだろが、思い付いたら、いつでもピアノ弾きまくったり大声あげたりしたらしき、ご近所迷惑なベートーベン先生とはまったく違って、午後9時以降は、ご近所の迷惑だからと言って、絶対ピアノは弾かなかったとかという、気真面目な方。


 学生思いで、よく相談事にも乗っていたとかで、必然的に作曲する時間はあまりなかったらしいです。


 なので、自分できちんと完成させた作品は、さほど、多くはないようです。


 そんなボロディン先生の、大傑作のひとつが、これ。

 

 1877年の作品であります。


 歌劇『イーゴリ公』(未完成に終わり、リムスキー=コルサコフ先生他の、周囲の人たちが苦労して完成させた。)との関連性が高いと目されます。


 第1楽章の頭から、大パンチを食らったような感じの、ほかでは、ちょと聴かない、非常に個性的な音楽で、言い方は良くないけど、ちょと高圧的で、かなり怖い音楽です。


 第2楽章『スケルツォ』は、いかにも、ロシアの交響曲、という感じではありますが(ロシアの交響曲の『スケルツオ楽章(ちょっとおどけたような音楽で、昔はメヌエットが入っていたところですが、ベートーヴェン先生が開拓したやりかた)』は、割とこうした雰囲気の音楽になる感じ・・・やましんの勝手な感じ、ですがね。)そこに、少し愁いを含むところが、大変いい感じになります。


 後半、太鼓がどんどこ言うのも、面白いです。


 第3楽章は、ボロディン先生の面目躍如というべき、『じゅわじゅわ』な感じがいたしまして、大変結構な癒し効果のある、また、かなり日本人好みなような気がする、音楽です。


 実際、日本には、昔から、ロシア民謡好きな人たちが、多くいらっしゃいました。


 そうした方には、お薦めの音楽であります。

 

 第4楽章は、あきらかに、『いけいけどんどんロシア音楽』で、やましんには、いささか、ドぎつすぎのようにも思いますけども、お好きな方には、もうたまらない音楽でありましょう。


 ブラスのはでな響き、鳴り物入りの、底光りする凄み。


 どことっても、ロシアです。圧巻❗


 1869年から書かれ始め、1877年に完成。同年2月26日初演。


 最初の初演は上手くゆかず、仲間内からもあまり評価されず・・・だったらしいですが、その後、手を加えて改良し、成功した様です。


 『うつうつう気分』を、たとえ一時的にであれ、やや力ずくでねじ伏せるには、それなりの効果あり、と見ました。



 

    ******** うつ ⛄ うつ ********

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