第46話 『ミサ曲第2番』 ブルックナー

 なんとなく体調が芳しくなくて、いつ心臓が止まるかなあ、と自分を疑ってしまう毎晩が続いておりますのですが、しかし、このミサ曲の、この最初の『キリエ』それから終わりの方の『ベネディクトゥス』と『アニュス デイ』・・・

  

 美しいです。


 自分のお家のお経もあげられない、ぼくですから、こう言うのもなんなのですが、有名な『クレド(信仰告白)』などは、明らかに、異常に強烈な霊感がブル先生に降りてきていまして、異教徒であっても、もう感動モノです。


 こんな、美しいものが、いつもブル先生の頭の中で鳴り響いていたのだったら、俗世で少々異様な言動があったって、そんなものは、なんの問題にもならない、ものの数にも入らない、本当に些細なことだと、思わずにはいられません。


 最後の音が消えた後は、ちょっと震えが来そうです。



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