第7話  シューマン:ピアノソナタ第1番

 シューマン先生につきましては、「レアオン」におきまして、けっこうなにやかにやと書かせていただきました。


 このソナタは、学生時代から、ベートーヴェンさんのピアノ・ソナタ第27番、シューベルトさんのピアノ・ソナタ第21番と並んで、ぼくが心酔していた音楽です。


 若くて、まだ元気だったシューマンさんが、恋人、クララさんのために書いた作品だったと思います。


 なので、ここには、いかにもシューマンさん的な、「悩んでも悩んでも解決できない問題」が、あちらこちらに顔を出しているようには思うものの、それが、のちの悲劇(自殺未遂)につながるのではなくて、これから始まるはずの、夢と成功につながるのだと言う、希望が満ち溢れてもいます。


 それは、淡い夢かも知れないけれど、今は、力強く脈動しているのです。そうして、それが、一番最後の、少し異例なくらいに、嬉々として、上昇して終わる、その最後の終結和音を響かせるのです。


 この最後の響き!   🌸


 なんという、素晴らしい響きでしょうか。

 この中には、もう、抱えきれないくらいの、素晴らしい計画が、未来がぎゅーっと、凝縮されていたのです。


 ぼくは、もうそれが、本当に、この先の未来を知ってしまっているために、ものすごく心に突き刺さるのです。


 また、それだけに、(自分勝手ですが)大きな慰めを与えてもくれるのです。


 シューマン先生の「自己犠牲」によって、非常に恐縮なほどに、ぼくは(自分勝手に)生かされてしまっているのです。









・・・・・・・・うつ 😭 😞🌀 うつ・・・・・・・・・・・・・

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