出会い、ナイフ、パンツ
俺と彼女の出会いは衝撃的だった。
俺の記憶の中で最も古い彼女は白いパンツだ。これは、比喩でも何でもない。
たしか、階段に彼女が座っていたんだと思う。そして、俺の視線の高さにちょうど、彼女のパンツがあった。当時の俺はまだ中学生で、つい、凝視をしてしまっていた。
最初、おそらく彼女は気付いてはいなかった。けれど、俺がずっと見ていたからか、それに気付いたのだろう、俺に近付き強烈な平手打ちをしてきた。
「何見てんの、この変態!」
そんな、きつい一言と共に。
俺は恥ずかしくなり、その場を逃げ出してしまった。けれど、その途中で不良にぶつかってしまった。
彼らはナイフを持っていて、それが怖くて俺は腰を抜かしてしまった。その場から動けず、言葉も何も出てこなかった。
そうしていると、誰かが走ってくる足音が聞こえた。
そして、再び白いパンツが俺の視界に現れた。それに見とれていた一瞬の後、不良たちは立ち去っていった。
そして、目の前にはさっきの彼女。何が起きたのかは分からなかったけれど、彼女が助けてくれた、そう思った瞬間、
「好きです。付き合ってください」
と、口にしていた。
「あはは、君、変態の癖に面白いね。いいよ、付き合ってあげる」
あの日、何が起こったのかは今でも分からない。でも、きっと、俺たちが結ばれるのは運命だったんだ、そう今なら信じられる。
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