大好きなゲームがサービス終了するかと思えば異世界で召喚できるようになりました

第52話 あなたは？

　ゴブリンの群れを倒した空太達はそのまま奥へと歩みを進めた。何度か魔物と遭遇し戦闘を行いつつ2層、3層と順調に攻略を進めていき4層の道の奥で次の層へと続く階段を見つける。

「それにしてもここまで1本道でしたね」

　階段に向かって歩きながらフォーチュンがふと呟く。前回攻略したリブラルでは1層から分かれ道があったため、今回攻略しているアレントではここまで1つの分かれ道もなかった。そのため他の冒険者とすれ違うことも増えていた。

　空太達が5層への階段へと近づいていくとと階段の上から数人の冒険者が降りてくるのが見えた。距離が縮まるにつれて徐々に冒険者の話し声が聞こえるようになる。

「あれ？この声って……。レオさん？」

　聞こえた声の中に聞いたことのある人の声が聞こえた。空太がその声の持ち主の方へと向くと、昨日アレントの外で出会った男が見えた。

「ん？君は……、昨日の……」

　そう言ったところで男の声が止まる。

「すみません、自己紹介がまだでした。相田空太といいます。杖を持っているのがフォーチュンで本を持っているのがルナです。昨日はありがとうございました」

　自己紹介をした空太は礼を言いながらペコリと頭を下げる。それに続いて2人も頭を下げた。