第48話 出張所

「冒険者ギルド……出張所?」


 テントの前まで歩いてきた空太は入り口の上にかけられている看板に目をやると首をかしげる。


「入ってみるか。冒険者ギルドの出張所らしいから副都にあったものを小さくしたようなものかな?」


 目の前の出張所について少し考えた空太はテントの入り口に手をかけてゆっくりと開け中に入る。中に入った空太の目に映ったのは一人用のカウンターとその奥の椅子に座ったギルド職員、そして依頼書の貼られた小さな掲示板が壁際に置かれていた。


「あら、初めて見る顔ね。ようこそ冒険者ギルドアレント出張所へ。よろしくね。」


 椅子に座ったまま中に居たギルド職員は空太達の顔を見て初めて来たと判断し歓迎のあいさつをする。


「よろしくお願いします。それにしてもこんな所にもあるんですね」


「初めて来た人はみんな出張所ここに驚くわね。冒険者ギルドはいつでもどこでも……とはいかないけれど冒険者のサポートのためにあるからね」


 くつくつと笑いながらギルド職員は空太達に話す。しばらくすると笑うのをやめて真剣な顔に戻る。


「一応ここについて説明しておくわ。と言っても街の冒険者ギルドと同じなんだけれど」


 説明を受けた空太は壁際にある掲示板から依頼書を取り依頼を受けると出張所の外へと出た。

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