恋愛経験0の女が経験豊富な男に恋した話。

@asmin426

第1話

これは夢か現実か。


東雲遙は今目の前で起こっていることを頭の中で考える。

おそらく目の前にいる男女はカップルなのだろ。どちらも美男美女だ。その二人がお互いの制服を脱がす勢いでキスをしているのも…分かる。お互い好き同士だったら、そういう流れになるだろう。ここは…学校だけど。

我慢できなかったのだろうっ!!


「…ンっ…」


女性の方から甘い声が漏れる。ここはどっからどうみても空き教室で。そこの席は私がさっきまで授業を受けていた場所で。その机の中には私が忘れた教科書が入ってるわけで…。


「ん、ん…っ…」


え、ちょっと本格的にヤバいよね?だって、お、男の方が…なんというか…女の…でっかい…私にはないというか…あるんだけど!成長が止まってるむ、胸を赤ちゃんが吸うみたいに…してて…いや!早く去らなければいけないのに…いけないのに…足が動かない。ドキドキしてくる。おかしいよね?!もしかして私って…変態なの?

いやいやいや、そんなことよりこの状況をどうにかしないとっ!!

ありがたいことにあっちからは私は見えないところにいるし、早くこの教室からでなければ。もうこの際教科書はどうでもいい!後で取りに来ればいいんだし。

…よーし。


がんっ


「えっ?!」


「いっ…!」


「あ?」


二人同時に音がした方に目を向ける。そこには盛大にうつ伏せにこけている間抜けな女子生徒がいた。


バカバカバカッ!!!なんでこんな時に転けるの!?あっーーーーーーー!!!!恥ずかしすぎて顔あげられないんだけどっ!


………


バタバタと誰かが走っていく音は聞こえた。てことは、二人とも出ていってくれた?もう顔をあげても大丈夫だよね?恐る恐る顔をあげるとそこには誰もいなくて。


「…はぁー…よかった」


「よくねーよ」


恐ろしく低い声が頭上から聞こえてくる。恐る恐る首を真上に向けるとそこには…


「結城颯太っ!!!」


色素の薄い髪色と緩い天パーで瞳は髪と同じ薄い茶色。目鼻立ちがはっきりしていて、ハーフといわれても不思議はないくらいの美形な2年生。入学してまだ3ヶ月でも、周りに疎い私でも知ってる。遠くからしか見たことなかったけど、近くで見るとますます人間じゃ、同じ人種じゃないみたいだ。脚長すぎだし、モデルみたいだ。

そんな私とは正反対なもしかしたら一生交わることはない人の名前を反動的に呼んでしまっていた。


「あー…もしかしてお前も混じりたかったの?だったら、ごめんね。俺、そういう趣味はないから」







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