10 役割



「一度立ったら もう降りる事は出来ない

 引き返す事が出来ない場所にいる

 何もかもが変わってしまったから」


 叶わない夢の光景

 手を伸ばしていても 触れて初めて分かる幻

 この世界に 踏み出して初めて

 今まで持っていた宝物の輝き 気づいた


 失くしたものが尊く思えるのは

 この場所が決して 幸せな場所ではないということ


 けれど 鎖がここに縛り付ける

 逃れたくても 逃れる事などできやしない


 何もかも投げ出して 逃げ出したくなる


 ここではないどこかへ

 またあの場所へと

 帰ることができたら


 なんて叶わない夢 今日も見てる


「誰かが立たなければならないのなら

 その場所には私が立つしかない


 なぜなら 代わりなんて他に存在しないから

 私しかできない事なのだから」


 果たされない夢の景色

 この手で確かに一度は触れていたのに

 離れてしまえば もう二度と 戻らない

 今まで傍にあったものは もう戻らない


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