1.死亡前

死というのは大変身近なものではありますが、いつ何時起こるとも限りません。

ある程度余命が分かる病気を患っている方、もしくは感覚で余命を感知できる方以外は自分がどのタイミングで死ぬのかというのは非常に解り辛くなっております。

 そのため突然に起こる死といものに上手く対処できず、ご家族の周りや生前に親しんでいた場所等に留まり続け無為な時間を過ごしてしまう、といった例も数多く見受けられます。

 こういった場合、いまだ精力的に生命活動を行っている人々に多大な迷惑をかけてしまうことが殆どです。(これに関しては一部例外もありますがそれについては後述いたします。)


 そういった時間の浪費と他人への影響を避けるために、まず死亡前に皆様に知っておいて頂きたいことが2つございます。


1.貴方は必ず死にます。

2.死んだ後もしばらく「貴方」の状態は続きます。


 1はそのままの意味ですが、これをあまりにご理解頂けていない方が多いため最初の段階から一向に前へ進むことができず、結果的にみると大変滑稽な状態となってしまう事が多くございます。

 2に関しましては、死亡後すぐに自分という存在が消える、所謂「無の状態」になると勘違いされている方もいらっしゃるので先に申し上げますが、死んでも貴方という存在はしばらくは消えません。

その後の段階を経て他に混ざっていくということはありますが、すぐにどうこうというものではありませんのでその点はご安心下さい。


 ちなみに1、2を正しくご理解頂けていない場合、「自分は死んでいない」「変わらず生きているんだ」と思い込んだまま生前の行動を踏襲しようとしたり、自分を感知できる人を探しまわったりと兎角無駄な行動をとってしまいがちです。

 貴方は、自分を女優かモデルだと思い込みブランド品を着飾る人(図1)や、大して働きもしないのにお金持ちの気になって高級車を購入するような人(図2)をどう思いますか?

おそらくとても残念で見ているこちらの方が恥ずかしくなるような滑稽な姿に映ることでしょう。

 これは生きている死んでいるに関わらずどのような場合においても、過剰な思い込みや日常的に他を真似て為りきるという行為、それ自体が非常に滑稽なことなのだと今一度ご理解ください。


 もし貴方が死をスムーズにクリアして早々に次の段階へ進みたいとお考えならば、前述致しました2つの項目をしっかり覚えておいて頂く事をお勧め致します。

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