DetectiveGame
四葉
第1話
【ディテクティブゲヱム】
「犯人は、あなたですね」
その言葉は、ミステリー好きな人ならだれでも耳にしたことや、目にしたことがあるのではなかろうか。
そう、それは事件が起きた際に探偵が犯人を指摘する時にのみ発言する、伝家の宝刀に等しいセリフ。
このあとは決まって犯人側はこう言うーー
「し、証拠はあるのかよ、お、俺がやったという証拠が!」
と。もちろん探偵ならば証拠もきちんと用意してある。でなければ、それは探偵ではなく狂言師と言われてしまうからだ。
「ええ、もちろん。なぜなら────」
「なぜならママが帰ってきたらからだ!!」
僕は目が覚めた。どうやら、今までのは夢だったようだ。
「あーまた、テーブルで寝てたなあ?寝るならきちんとベッドで寝なさいっていつも言っているでしょ?」
寝起きの僕の眼前に心底呆れ果てたようにこちらを見つめてくる女性がいた。母だ。
「……なんだ、母さんか。怪獣が帰ってきたのかと思ったよ」
僕は寝ぼけ眼である目をこすり、すこしあくびをしてみせた。時計を見たら夜の8時を回っていた、学校から帰って寝てしまったようだ。
「あっはっはっ!ママが怪獣ならソウちゃんも怪獣になるねえ!あ、そうそう、ママね、職場で面白いものもらってきたのよ。ソウちゃんこういうの好きでしょ?」
そう言って母が僕に手渡しのは一枚のチラシだった。
そこには『探偵の気分が味わいたいあなたへ、味わい深い至高のミステリーアトラクションがあなたをお待ちしております。』と書かれていた。
なんだこれ…まるで子供騙しなイベントだな。
「なんかね?これママの会社の取引先の人が運営するみたいで関係者は特別に無料で招待します、っていうからもらってきちゃった。ソウちゃん探偵もの大好きでしょ?」
「確かに好きだけど、僕が好きなのはこんな小学生を喜ばせるようなミステリーなんかじゃなくシャーロック·ホームズが解き明かしたようなやつだっていつも言ってるだろ」
そう、僕はシャーロック·ホームズが大がつくほど好きである。特にバスカヴィル家の犬が好きなのだが、それはまた別の機会に語るとして…
「だいたいこんなもんひとりで行くようなやつでもないじゃないか。…まあ、行く奴がいても僕は行かないけど」
「え?何言ってんの?未鳥ちゃんにもうチケット渡してるからあんた未鳥ちゃんと行くんだよ?」
────は?
〜To be continued〜
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