New Life Planner

@hrk098

第1話 そのおんな



「なあ、お腹すいた、もっとご飯ちょうだい」

子供のころの俺の口癖


両親は、俺が物心つくころには離婚していて、

母方の祖父に引き取られ。

そこは、社会の底辺ともいえるような場所で

家はボロボロ、母親は、新しい男を作って出ていき

実質、じいちゃんに育てられた。


もちろん、お金はなく極貧生活

年金生活のじいちゃんは、すくない収入から、俺の母親がつくった借金まで払っていた。


電気ガス水道がとめられることは、日常茶飯事

そのせいか、きれいな場所に住みたい、おいしい物をたくさん食べたい、

他人よりお金がほしい。

そんなことを毎日考えるようになった。


小学生の頃は悲惨で、そんな自分が嫌でやけに暴力的だった。

それを見ていた、先生たちは、この子は少し、遅れているといい

特別学級に入れようと、言っていたらしい。


「野蛮人、汚い、近づかないで」

毎日同級生からののしられ、給食費の回収日には、俺が貧乏なの知ってるくせに、

「なんで、お金はらってないのにこいつ給食たべるの?」

もれなく、笑ったやつ全員ぶん殴ってやった、そして怒られるのは俺、先生もかばうことはしなかった。

心がおかしくなりそうになる、その時俺は、小学生なりにしった

社会は平等ではない。

どこにもあたることのできない感情が心のなかで渦巻いていた。


12歳のころ、母親がなくなったと言われたが涙一つでなかった。

母親が亡くなって三か月が過ぎたころ、初めて父親とあった。

亡くなったのを人づてに聞いたらしい。


手を合わせる父ちゃんの後ろ姿を眺めながら、感情が変になる


そのあとご飯食べにつれてってもらい

いろいろと話をされた。

父ちゃんは、すでに再婚しており、子供もいると話した。


「なんでもかってやるぞ、好きなものたべろよ」

申し訳なさそうににいう自分の父をみて、俺は、どうしていいかわからなかった。






そして月日は流れ、15歳、ニート、公園の中心で叫んでいる


「どうしていいか、わっかんねー

できる事なら生まれ変わりてー」


15歳で社会に放り出され、どうやって生き抜くぬかわからない、マジでやばい


「物心ついたころから、ずっと365日欠かさず、

生まれる前に戻してくれと願ったのに

神も仏もないってこういくことかー!」


「ハァ、、、、ハァァ、、、、

喉乾いたな」


飲み物でもかうかと思い財布を見ると

小銭32円


...


「むなし」


俺の人生こんなんばっか、いやになるよまったく





「そこのお兄さん」


後ろから、女の人の声がする


「あなたですよ。あなた」


振り返ると、きれいな白髪はくはつの女の人が一人

周りを確認してみると俺一人


「え~っと…俺のこと?」


「そうですよ。今この場に私と、あなたしかいないでしょ」


「はぁ、まぁそうですね、でなんですか」


「とりあえずこれ私の名刺」


受け取って、見るとnew life planer新(あらた)みらい 

と書かれている


「で、そのなんちゃらぷらんなーの、あなたが

俺になんのよう」



「ズバリ聞きます、あなた違う人生歩んでみませんか」


...二人の間に沈黙が流れる


「えーっと、いみが理解できないんだけど...」


「そうですよね、いきなりそんなこと言われてもって

なりますよね。」


「そうですね、なんかの宗教団体とかですか」


「いいえ、ちがいます

とりあえず、立ち話も何なのでどこか喫茶店ではなしますか」


「いや、お断りします」


・・・

終始みつめあう二人、遠くから学校のベルが聞こえる


キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン

...


「あの...」


「お断りします」

白髪の女の言葉を遮るように、再度断った

...


まだベルの余韻が残っている

...


一瞬笑みを浮かべたかのように見えたこの女の人は、おもむろにスマホをとりだし、

どこかに電話をしだした。


「もしもし、10分後くらいなんですけど、二人、はい、

はい、よろしくお願いします」


「いやいや、何してるんですか」


「えっ、お店の予約、さぁ行きましょうか」



えーーーーーー

俺断ったよね、なんだこの自分勝手な女は


「いやいきませんて」


「いいから、予約もしたし

お姉さんが、おごってあげるから」


えっ

...

そこまでいうのなら

...


「いきましょう」













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