ひめてん昔話(マッチ売りの少女、パティ編)

「マッチ……マッチはいりませんか? まだ一つも売れない……困ったな〜、マッチが売れないと父様に叱られちゃう……あ! そこの黒髪の綺麗なお姉さん! マッチはいりませんか?」


「買うわ!」


「へ⁉︎」


「そのマッチを買うって言ったのよ! あるだけ全部ちょうだい!」


「ぜ、全部⁉︎ あ、いや……ちょ、ちょっと待ってよ! そりゃ買ってくれるのは嬉しいけど、全部売れちゃったら話が終わっちゃう……」


「なによ⁉︎ 買ってあげるって言ってるんだから、いいじゃないのよ⁉︎ いいえ、マッチだけじゃない! あなたも買うわ‼︎」


「な⁉︎ な、な、何言ってんだよ⁉︎ 話が変な方向に行ってるよ⁉︎」


「あなたにこんな苦労はさせられない! あなたの事はあたしが一生面倒見るから、あたしの家に来なさい‼︎」


「ええ⁉︎ ちょ、ちょっと待って……」


「あたしの有り金全部持って行きなさい! 足りなかったらいくらでも出すわっ! さあ、これであなたはあたしのものよ‼︎」


「うう……え、遠慮しますー‼︎」


「あ、こらぁ! 待ちなさいユーキ‼︎」


「名前ゆ〜な〜‼︎」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る