第22話
―― はらへたまひきよめたまふことを・・・・あまつかみ、くにつかみ、やほよろづのかみたちとともに・・・きこーしめーせとまおーすー・・・
どうやら終わったらしい。オトタチは幣を再び台に戻した。すると、正面の階段の奥にある扉がゆっくりと開き始めた。おれたちは固唾を飲んで成り行きを見守った。
最初に光が差した。あまり強い光なのでおれは思わず目の上に手でひさしを作った。やがてその光の中からぼんやりと人の形をしたものが現れた。2人いる。一人は背が高く、もうひとりは背が低く、しかも老人のようだ。
「あ!」
扉が締まり、その人影がはっきりしたとき、おれは思わず声を上げた。老人の横につきそうように降りてきたのはあの竹見専務だったからだ。2人とも、当然の如く古代人の服装である。
竹見専務は俺と目が合うと一瞬ウインクをした。何なんだ。もう。大掛かりなドッキリだったらすぐにでもバラしてくれ。
しかし事態はそのまま厳かに進んでいった。真ん中から分けられた長い白髪に立派なヒゲを蓄えた老人は竹見専務と共におれ達の前へと立った。帽子をかぶせれば小さなガンダルフのようでもある。2人は台の前の円座に座り、俺たちと向き合った。
老人はおれ達を見渡してからひくうい、いい声でゆっくりと語りだした。
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