第10話

 ララミーの民の村は小高い山の上にあって、道にはゴロゴロとした岩が落ちていて登るのはちょっと厄介だった。


「一人だけだったら私が背に乗せて飛べるんですが……」


 スワローというララミーの民の男はいった。


「いえ、これくらいの山を登れなくちゃこれからの道中がおもいやられますからね」


 バードを剣を杖がわりにして歩きながら言った。


「……」


 ローズは疲れで無言だった。



 夕闇が迫ってきたころにララミーの民の村についた。


 村人はあちこちに自然に出来た洞穴に家族単位で住んでいる。ローズたちは一番大きな村長の洞穴に通された。

 中は綺麗な敷物が敷きつめられていて岩壁にはタペストリーにララミーの民の戦絵巻が描かれていた。奥のクッションがいくつも重ねられたところに若い裸のいちだんと大きな翼を背に生やした男がいた。


 若いわ。あれが長老?


 ローズは疲れていて早く腰を下ろしたかった。


「クッションに座ってくつろいでくれたまえ、俺は若いが長老のトンビだ」


 バードとローズは長老に挨拶を済ませ、侍従が運んできたクッションに座った。


「まずは、食べ物だな、ここへ運べ」

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