第2章老婆
第6話
翌日は、早くにタリー村を出たので次のササヤ村にはお昼過ぎについた。
バードたちは、ローズのための男ものの服を探すために市場に行く。
辺りを物色していると「そこのお方。そこの黒髪で黒いマントのお方」
と、テーブルに水晶だまをのせた占い師の老婆が呼びかけている。
バードは近づいて「俺のことを呼んだか?」と聞く。
「妖術使いの才があるな」
「確かに母親の家系は妖術使いだが、俺には大した才はない」
「嘘をつくでない。その眼で他人を思い通りにしたことがあるであろう」
「自分かってに思い通りになるだけだし、鍛冶師には必要ない」
「婆がいいものをあげよう。リルスの玉だ。妖術がもっと強くなるはず。魔力の強い剣も鍛えられる」
老婆は紐を通した黒い玉をかかげた。
「金は払わないぜ」
「お代は今はいらない。今度来るときに払うことなるはずだ」
「じゃ、もらっておくぜ。またこないけどな」
バードは玉を取り、紐を首にかけた。
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