魂宿る美術館
三の木
はじめに
*1 魂宿る美術館
S県
そして、今から30年前、宿木市に1つの美術館が建てられた。その名も『宿木美術館』。敷地面積28,872m²。上から見るとカタカナの「エ」のような形をしている。豊かな緑と花に囲まれ、大きな噴水が人々を出迎える美しい美術館である。
不思議なことに、ここに収蔵された作品は次々とその魂を人々の前に現した。作品に宿った魂が人の形を取って現れるのである。誰にでも見えるわけではない。見える人と見えない人の違いも、なぜ見えるのかも謎のままだ。ただ、彼、彼女らはたしかに存在し人々に語りかけてくる。
いつしか宿木美術館は「魂宿る美術館」として、世界中で有名になった。
この美術館で働く条件はたったひとつ――作品の魂が見えるかどうかである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます