異世界での身支度

第5話 個人のスキル

ギルドの中に入ってみると思っていたよりも騒いでいてちょっとうるさかった。

とりあえず、受付のお姉さんに話しかけてみる。


「住民登録ですか?こちらに記入をどうぞ」


受付のお姉さんに言われるまま用紙のアンケートの解答と個人情報を書き込んでいく。そして書けた用紙を渡す。


「お疲れ様でした。少しの間お待ちください。お名前を呼ばれましたらあそこの扉に入ってください」


と受付の横の部屋を指さされた。待つこと10分ほどで名前を呼ばれた。


扉の中に入っていくと2人の男がいた。説明を聞いてみるとここでスキルを確認するらしい。この目の前の水晶に手をかざすのか。何が出るのか好奇心が疼いて有頂天だった。


水晶に手をかざしてみたが何も起こらなくただ、カチッという音がしただけであった。


「これで終了ですね」


 これで終わったの!?もっと、光とか出てくる展開じゃないの?なんか夢壊された気分だわ....


「では、確認のほうをよろしくお願いします」


 そう言われたので、ステータス画面を開いて確認してみた。


   ヒロト   Lv.1

HP100 MP500

スキル欄:補正スキル《派生》、通常スキル《召喚魔法》


 あ!!召喚魔法が追加されてる!!召喚魔法って地味だけど最終的にはドラゴンとかだせるんじゃ?あたりかもしんない。


「それでは発現したスキルを教えてもらってもよろしいですか?」


「はい、召喚魔法です!」


どや顔も含めて少し自信ありの気持ちを含めて声に出した。しかし、


「召喚魔法ですか....」


「一応ここにいるお二方には職業を一緒に決めるお手伝いを頼んでいるんですが、召喚魔法を必要とする職業がありません。つまり、ヒロト様には冒険者になる以外、職がないということです。」


 受付のお姉さんは気の毒そうな顔をしていた。二人の男性も職探しを手伝えないとなると帰っていった。


「しかし、冒険者でも大丈夫ですよ?かっこいいですし!召喚魔法があればなんとかなるでしょう」


 しかし、そのあとの説明を受けたあと、僕はとても落胆してしまった。


 まず、スキル説明を受けた。この世界では通常スキルと呼ばれる自分の職業を決めるいわば天性のスキルと、補正スキルという通常スキルを補正するスキルがある。補正スキルのほうは才能がある人だけに発現するようだが大抵はMPの消費を少なくしたりと意外としょぼい。


 とりあえず、僕はレベルをあげるために街の外でモンスターを狩ることにした。モンスターを探しながらスキルの説明について思い返してみる。あそこで一番ショックを受けたのは召喚魔法のコスパの悪さだった。まず、召喚魔法は召喚するときにMPを多大に消費する。さらに、その召喚したものをとどまらせるためにもMPが少しずつ消費されていくというものだった。


 あとは受付のお姉さんに聞いた話ではスキルに集中するとスキルの情報がいろいろとわかるらしい。とりあえず、ここらへんならモンスターもいなさそうだし、調べてみるか。そして、まずは通常スキル《召喚魔法》に集中を置く。するとなにやらステータス画面と同じようなものが出てきた。


 まず説明欄みたいなものがあったが、とても長かったのでとりあえず今必要な部分だけ説明を覚える。


まず一個目、召喚できるものは召喚者が想像できる範疇のものなら全てである。


二個目、召喚欄というものがあり、そこにはジャンルを付け足すことができる。


三個目、強いものほどMPの消費も大きいが弱いものなら少ない。一番最初のものならとどまらせるのに使うMPは0である。


四個目、召喚者のレベルが増えていくたびに、ジャンルごとにひとつずつ召喚項目が増えていく。


五個目、ジャンルは大まかなものしか決めれない。


六個目、増える召喚項目はランダムである。最初の召喚項目もランダムである。


七個目、ひとつひとつの召喚項目にはレベルがあり、自分の所持金を払うことでレベルアップさせることができる。1→2は1000ハルク、2→3は10000ハルク、3→4は10万ハルク、4→5は100万ハルクである。


八個目、七個目の補足で、レベルアップさせるとMP消費が少なくなったり召喚項目に固有スキルが発現することがある。


九個目、ジャンルを増やすのにもお金を消費する。これはひとつにつき10万ハルクである。

       ※ただし、最初のジャンルは無料で選べる。


十個目、召喚項目は出てくる順番で強くなっていく。


 今必要なことはこのくらいかな。ちなみにこのハルクというのはお金の通貨らしい。実際に確認してみるとこの魔法だけでは強いようにも弱いようにも感じる。使いどころが難しい。


 だが、まだ通常スキルを補助する補助スキル《派生》の説明を見てからだ。

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