おきつねさまのたのみごと

マニアックパンダ

第1話 プロローグ

夜中の散歩は好きですか?

 

 静かな空気

 

 昼には聞こえない自然の音


 美しい星空


 見慣れた景色も違った様相を見せる


 どこかに恐れのようなものもある


 ゆっくりと歩くのは格別だ


 時折、腰を下ろして周りを見回すのもいい


 何か発見があるかもしれない


 

 もしかしたら新しい出会いがあるかもしれません



 

 俺は夜中の散歩が好きだった。

 ん?過去形?

 いや、間違ってはいない、好きだったで間違いはない。


 なぜ?

 夜中の散歩が原因でこんな事態になってるからだよ。


「なんじゃ?妾がいかに美しいからと言ってそう女子を見つめるもんではない」

「見つめてねえよ」


 ぼーっと色々考えていたら目の前に座る上下ジャージ姿のケモ耳女がにやけ顔で言ってきた。

 そう、こいつに出会った事が俺に過去形で言わせる大元だ。


 あの日から俺の人生は変わってしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る