木に恋した冬の話

 降ったばかりの真っ白い雪に足跡をつけるみたいに、私の身体に貴方を刻んでほしい。そう願いながらも、やはり私に貴方を刻めないのだとつくづく思う。

 貴方が好きなのは春の風、夏の太陽、秋の夕暮れ。私なんかじゃ、叶わない。

 貴方の弱った姿を見ると、そう思う。

 それでも、私は雪を降らす。

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