上級ルール

加奈子:基本的なルールはひととおり説明し終えましたので、今回からは上級ルールの説明に入りましょう。


純:上級ルールということは、初めのうちは使わなくてもいいってことですよね。


加奈子:そうね。まずは基本的なルールに慣れてから使い出したほうがいいと思うわ。


純:なーるほど。


加奈子:では、上級ルールの説明に入らせていただきます。まずは、バトルステージに関するルールです。


純:バトルステージに関するルールって?


加奈子:要するに、そのコースの大半が下りダウンヒルオンリーの場合や登りヒルクライムオンリーの場合に使う特別ルールってことね。アップダウンが多くてどちらとも言えないコースの場合は特にルールを規定しないわ。わたしたちの地元、八神街道の場合、八神口から始まる表コースは下りの、九十九坂から始まる裏コースは登りのコースになると思ってください。


純:なるほど。


加奈子:ではルール自体の説明をします。まず下りダウンヒルのバトルステージの場合、圧倒的優勢を得るための性能差に走り屋ランクを用いた修正が付きます。


純:それってどういうことですか?


加奈子:下りダウンヒルのバトルステージの場合は、性能で劣っている側が走り屋ランクで優っている時に限り、その差分+1が必要とされる性能差に修正値として加えられます。つまり走り屋ランク4のキャラクターに走り屋ランク3のキャラクターが圧倒的優勢を得ようとしたら、性能差+3ではなく性能差+5が必要になるってわけです。


純:なるほど。


加奈子:また、車両クラスによる性能値への修正も付きます。XLクラスは「旋回」の性能が+3、LLクラスは「旋回」の性能が+2、Lクラスは「旋回」の性能が+1、Hクラスは「旋回」の性能が-1、SHクラスは「旋回」の性能が-2、XHクラスは「旋回」の性能が-3されます。


純:じゃあ、登りヒルクライムステージの場合には?


加奈子:登りヒルクライムステージの場合には、「速度」と「馬力」の性能を用いたラウンドにボーナスが付きます。クルマの「速度」性能で優っている側は「速度」性能を用いたラウンドで、クルマの「馬力」性能で優っている側は「馬力」性能を用いたラウンドで勝利した場合、獲得できる点数が2倍になります。この獲得点数には圧倒的優勢で得た得点も含まれます。


純:了解です。


加奈子:あとですね、そのバトルステージが特徴的なものである場合、通常ルールなら「前のラウンドで使用した性能を使う」ハートのカードに、あらかじめ「速度」「馬力」「旋回」いずれかの性能を使うよう設定し直しても構いません。


純:それってつまり、直線が多いステージなら「速度」の性能を、ストップ・アンド・ゴーの多いタイトなステージなら「馬力」の性能を、中低速のスラロームばっかりのステージなら「旋回」の性能を割り振っていいってことよね。


加奈子:ええ。もっと言えば、GMの設定次第では、ハート以外のカードにも別の性能を割り振ることができるわ。例えば、湾岸みたいな高速メインのステージなら、ハートに加えて「旋回」の性能を参照するスペードにも「速度」の性能を割り振ってもいいってこと。


純:なるほど。そのあたりはGMのさじ加減ひとつってことなのね。


加奈子:続きましては、競技用セミスリックタイヤのルールです。


純:俗に言うSタイヤって奴ね。


加奈子:はい。普通のハイスペックラジアルタイヤと比べて、はるかに優れたグリップ性能を誇るタイヤですが、当然のことながら減りのほうもマッハです。


純:お財布に厳しいタイヤなのね。


加奈子:愛車の購入時にセミスリックタイヤを標準装備することとした場合、使用するカードの数値に+1の修正を受けることができます。ただし、Sタイヤが効力を発揮するのは舗装路面の場合だけなので、注意してください。


純:たかが峠攻め、されど峠攻めで、ワインディング攻めるのにわざわざSタイヤ履く物好きも結構いたりするのよね。正直言うけど、あたしには到底そこまでする気はないわ。


加奈子:そこはもうひとそれぞれとしか言えないわね。あと、あえて使うひとも少ないでしょうけど、AT車のルールも説明しておきます。


純:ああ、壬生さんの元愛車のルールね。


加奈子:わたしの現愛車のルールでもあります。トランスミッションがATのクルマを使用する場合、勝利したラウンドの獲得点数が-2されます。なお、R35「GT-R」やランボルギーニ「アヴェンタドール」のようなスーパースポーツが搭載しているDCT/セミATについては、上記ATの範疇には含めませんので注意してください。


純:わかりました。


加奈子:続いてはウェイトハンデとウェット路面のルールです。まずはウェイトハンデのルールを説明しますね。バトルするクルマに余計な重量物が乗っている場合、不利な修正が付いてしまいます。余計な重量物とは、主に同乗者の存在になると思います。


純:なるなる。


加奈子:平均的な体重の同乗者がひとり乗っているごとに、獲得するカードの点数から2の数字が引かれます。同乗者以外の重量物を乗せている場合には、この条件に合わせてGMが適切な判断を下してください。


純:要は雰囲気重視ってことですよね。


加奈子:そもそもTRPGというのはそういうものよ。あいまいなところが、ゲームとしての魅力なの。


純:ですよね~


加奈子:ウェット路面、つまり濡れた路面に関しては、クルマの駆動方式が大きく影響してきます。FRやMR、RRなど後輪で駆動するクルマがウェット路面を走る場合、すべての性能を使用するラウンドにおいて、勝った時の得点が半分(端数切捨て)にされます。


純:FFや4WDはどうなるんですか?


加奈子:FFのクルマがウェット路面を走る場合、「馬力」「旋回」の性能を使用するラウンドにおいて、勝った時の得点が半分(端数切捨て)にされます。4WDのクルマの場合は、「旋回」性能を使用するラウンドにおいて、勝った時の得点が半分(端数切捨て)にされます。なお、どの駆動方式の場合でも、ウェット路面を走る際には圧倒的優勢を得ることはできません。注意してください。


純:了解です。濡れた路面では4WDが圧倒的に有利ってことですね。


加奈子:そうなるわね。じゃあ続いて「地元」のルールに入ろうかしら。特定の「地元」を持っているキャラクターは、そのステージを走る場合、走り屋ランクが+1されます。これはバトルの場合だけでなく、後述するタイムアタックの場合も同様です。


純:地元の走り屋は、時にベテランのビジターを撃破するってわけですね。


加奈子:最後に、セッティングのルールを説明します。クルマはそれぞれセッティングの項目を持ちます。セッティングはカテゴリー順に


カテゴリー1:オフロード(悪路)※

カテゴリー2:グラベル(未舗装路)

カテゴリー3:ターマック(舗装路)

カテゴリー4:ゼロヨン(モータースポーツ)

カテゴリー5:ドリフト(モータースポーツ)


という6種類があります。また「カテゴリー3:ターマック」にはサブカテゴリーとして


ターマック1:ストリート(一般的な公道)

ターマック2:サーキット(モータースポーツ)

ターマック3:ハイウェイ(高速道路)


の3種類が存在します。セッティングが「カテゴリー3:ターマック」のクルマは、いずれかのサブカテゴリーを1つ選択しなければなりません。なお、一部の特殊なクルマを除き、初期設定のクルマはすべて「ストリート」のセッティングとなっています。キャラクターは愛車の購入時に、自分のクルマがどのセッティングになっているかを決定しなくてはなりません。ただし、※の付いているセッティング、つまり「オフロード」は、初期設定がそうなっていない限り選択の制限がかかります。「カテゴリー1:オフロード」以外のクルマは、チューニングレベル:Cにチューニングされた場合のみ、セッティングを「オフロード」に変更することができます。


純:セッティングの違いには、当然意味があるんですよね。


加奈子:もちろん。バトルやタイムアタックのステージがクルマのセッティングとひとつ違うごとに、手札の数字が-2されます。これが「ターマック」のサブカテゴリーの場合だと、バトルやタイムアタックのステージがクルマのセッティングと違う場合、手札の数字が-1されます。


純:え~、つまり、「ハイウェイ」セッティングのクルマが「ストリート」や「サーキット」を走る時には手札の数字に-1の修正が付くってことでOKですね?


加奈子:そのとおりよ。なお「ターマック」のサブカテゴリーでセッティングされたクルマは、「グラベル」や「ゼロヨン」など「ターマック」以外のステージを走る場合、どのサブカテゴリーを選択しているかに関わらず「ターマック」のセッティングを持つものとして扱われます。これは逆の場合も同様です。「グラベル」や「ゼロヨン」のセッティングを持つクルマは、「ストリート」や「サーキット」を走る時、サブカテゴリーを無視して「ターマック」のステージを走るものとして修正を行います。

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