ぼっちはいつまで経っても治らない

Salt

プロローグ

スクールカースト――それは学校生活の中で自然発生する人気度合いの階層序列。カースト制度になぞらえられ、今の社会に溶け込んでいる。

トップカーストの人気者とカースト最底辺の生徒とでは雲泥の差がある。

人気度、オシャレ度、コミュ力、顔面偏差値……様々なステータスを総合的に評価してピラミッド型の階層に振り分けられる。

その階層ごとにも更に細かく順位付けがなされる。

一番気を付けなければ行けないのは、カーストトップ層はカーストが低い奴には興味すらないことだ。下手に近づこうものなら、『なんだコイツ、イキってんじゃね』とか思われたりする。

下の層の住民がトップ層に上がることはほぼ不可能なのである。




どうしてこうなったんだ。


真夏の蒸し暑い教室。

一人教室の端に立っている俺は必死に窓の方を見る。

窓からは大きな入道雲が見えている。


「黒川を入れてやれる班あるかー?」

クーラーが壊れているせいか皆の顔も心なしか暗い。

まあ本当の原因がここに居るんですけどね。

「そこの班一人空いてるな。じゃあ、入れてやってくれ」

担任の熊野が近づいてきて軽く背中を叩く。

何であなたはそんな笑顔なんですかね?

俺はもう泣きそうよ。

「これで遠足の班決定だな」


今日も絶賛ぼっちライフを謳歌してます。



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