4-5

しつこく自分の記憶に入り込んでくる相沢がいい加減、うんざりだった

五年前から変わらない無神経に怒りしか感じなかった


これを気に本気で関わりを絶ち切るのも良いかもしれないと

話し合いを引き受けることにした


(話ってなんだ?まさか付き合ってくれ、とか言わないだろ?

俺は相沢が嫌いだしな、他のがマシだ)


(好きな人なんか作る気ないくせに!それに[勝手なのは自分でしょ!]

餌まいて、近寄った子を傷つけてるだけじゃん。。)


自分を棚に上げて、防御トークをする相沢に怒りが止まらなくなった。。


(誰がいつ弄んだ?勝手に惹かれて、勝手に幻滅してるだけだろ

見た目だけで判断するくせにな

だからろくに知りもしなくせに好きとかいうんだよ

そんなクズみたいなミーハーにキツく言って何が悪い

同じ目に合わせてやってるだけだ

傷ついてるのが自分だけ精神にもヘドが出るわ)



<バシッ!。。>

相沢に叩かれた頬が熱を帯びた



(傷ついてるのが自分だけなわけないでしょ!

自分が可哀想になるのが嫌なだけ、少しの欠陥も受け入れられないなら

模型みたいに、完成した相手しか好きになれないじゃん!)



俺は顔をそらしたまま、相沢の顔を目だけで窺った

ゆっくりと首から上を見ると、涙を流しながら

感情をむき出しにしていた

俺は今度は視線を下に向け

手を出された事のへ怒りも、涙の粒がコンクリートに弾かれる度に

薄れてしまう


それでも不愉快なのは微塵もかわらない


(最低な女の子も確かに居るけど、本気の子も絶対にいたはずでしょ?

そうゆう子にも自分の言い分だけ言って、嫌われる事ばかり口にしてる

相手の意見を聞く余裕も無い、子供じゃない)


相沢は目から涙が溢れない様にしていたが、溜まった水が勢いよく流れると

もう一度、ポタポタと下で弾かれる








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