第2話 魔法ってありますか?
獣は、子供を亡くしている。母乳は少し獣臭いけど、生きるためには仕方がない。
たべもの、自分でとれるようになりたい!
知恵熱が出たり、お腹を壊したり、
いろいろあったけどこの犬だけは優しくしてくれる。
そして、ついに!
(ハイハイができるようになりました!)
私の補助があるおかげで、この体の成長が早い。
あれからすぐに首もすわったし、握力も並大抵の子供には負けないと思う!
ただ、毛布ぐらいしか着るものがないなんて…。
お犬さんどこ行ったのかな。
あ、足音が聞こえる。
「んばー!」
呼びかけると、少し尻尾を振って応じる犬さん。
布をくわえてる?
(ああ!服だ!)
私よりサイズの大きいTシャツ。
頑張って着てみます。
…うん。大きい。Tシャツなのに、ヨレヨレのワンピース着てるみたい。
(もしかして、盗んできちゃったの?)
犬さんの首元を軽くたたいたら、尻尾を振った。
…伝わってない気がする。
犬さんからは、もうミルクが出ません。
なので、洞窟の中で運動したいと思います。
私が洞窟にいれば、犬さんは安心して食べ物を盗めます。
立てるまで、もうちょっとなんだけどな…。
犬さんは、牛乳のビンを盗んできました!
既に開封されてて、ちょっとだけ飲んだ感じ?
喉が渇いてたので、ちょっとずついただきます。
(ねえ、犬さん、魔法ってこの世界にあったりします?)
ダメもとで聞いてみる。
「ふううぅーーー…」
犬さんが長い溜息をつく。
(なんだろ?)
犬さんの鼻先で、落ち葉が竜巻みたいなトルネードを作った。
(犬さん、分かってくれた!…ってそうじゃない!何で犬が魔法使えるの!)
犬さんがペシペシと尻尾で地面をたたいた。
(やってみろってことかな?)
…集中!
そして、…!
「うぶぅぅぅー」
ぼっ。一枚の葉に火が付きました!
(わ、わわ!どうしよう!!)
燃やしたの私だよね?消し方わかんないんだけど!
犬さんは砂を蹴り上げて消火してくれました。
(ありがとう!私どうしたらいいかわかんなかったの)
犬さんは抱き着く私をなめてくれました。
(いきなり魔法(?)使えちゃった!)
この日は疲れたので、よく眠れました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます