第7話 ある"ごーれむ制作現場"にて

思い立ったら即行動


最初は土のゴーレム、クレイゴーレムって言うんだっけ。


〔創造には、まず想像が重要。〕


『…20点』


うっせーよ。

本当に想像が重要なんだよ。

えっと、体長は160位で良いかな。体躯は細くても筋肉質な感じ。で動力は…そうだな。

〔スクナ、この世界に魔石ってある?〕


『魔石は高ランクの魔物の心臓部を剥ぎ取るか、ダンジョンの炭鉱エリアから出ると思いますが』


あるんだな?なら問題ない。

この世界に材料がない物は作らないって決めている

彦坊が高純度の魔石を創造した現場をこの目で見ているからな。多分問題ない。


動力源は高純度魔石で


〔試作機1号【いちご】いでよ!〕


地面から人型の粘土がゆっくりと形成される。流石にかんな大掛かりだと創造が遅いな



創造が終わり、ゴーレムの中に入り動作確認……


〔真っ暗。何も見えん。〕



ああ、本体の神像を覆い隠すと見えなくなるとは予想外。なら神像の顔の部分を覆い隠さない様ににして胸部に取り着ける。


〔"自分を取り着ける"と言うって、自分で自分を物扱いしてるみたいで憂鬱になるな。〕


『…いや、ヤドク様は付喪神でしょう』


うん、確かに物ですが。感情がね、

〔スクナもいつか分かるよ。きっと。〕


『そう言うものですか?』




〔…搭乗完了!〕


『ロボットですか?』


似た様なものでしょう

見晴らし良し。じゃあ歩いてみよう。


〔まずは右足を上げ…るううううう〕


恐る恐る右足をあげると左足が崩れ後ろに倒れ、倒れた衝撃で人型が崩れ、粘土の山が残った。


『…クレイゴーレムは無理があるんですね』


まあ、試作だしつぎは普通にロックゴーレム

にするか。


『…提案なんですが、球体関節の人形みたいにしたら如何でしょうか』


〔球体関節って何?〕


『球体関節って言うのはですね________

___(球体関節でウィキペディアで検索)__』


〔こ、こいつ。説明で4時間かけやがったぞ〕


『想像で創造なのでしょ?なら具体的に説明した方がいうじゃないですか?』


まあ、おかげで想像しやすくなったけどね。


ロックゴーレム創りますか




……


………


よし動力源以外は創造完了。

あとはさっきの高純度魔石をセットして完成

関節という関節を球体関節にしたぜ。

首、腰、肩、肘、膝、終いに指関節まで!

みんな球体関節

〔完成した〜、ははは〜〕


『…まさか、2日間かけるとは…そして何故か女型』


正直やり過ぎました

でも球体関節って複雑過ぎだから、作り直しは勘弁。だから、徹底的に創り込みました。

女型なのは、クレイゴーレムが男型だったからです。決して深い意味はありません。


〔ん?動かなかったか?

おい、勝手に動いてるぞ。ゴーレムが!

おい走るな!止まれー!戻って来い!〕


ゴーレムは森の奥に爆走し消えていった



『そりゃあ動くでしょ。ゴーレムですし…』


〔え?〕


『え?』


〔え?ゴーレムって命令しないと動かないじゃ?〕


『何言ってんですか。ゴーレムは魔法生物ですよ?』


誤認識の弊害か

〔じゃあ、あれ生物なの?〕


『生物なのですよ。ですが、ゴーレムってあんなに早いとは思っても…あ、戻ってきたみたいです』


おお、戻って来たか。


〔しかし、石で生物って感慨深いな〕


『ブーメランって知ってます?』


うん知ってるよ。うん、知ってる…

〔で、こいつの名前どうするんだ?〕


トントン


頭叩くな。

何だ?カード?


〔え?カード!〕


ゴーレムは儂にカードを見せる。

それは紛れもなく、ゴーレムの情報カードだった。


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