第5話 ある世界のシステムを把握する

三日間、泣いた


泣き疲れて、冷静になった。


まず現状を把握し、帰れる手段を見つけよう。



〔端末、前の世界に連絡は出来る?〕


『出来ません。世界間双方向のやりとりは創造神以外は禁止されております』


つまり、救援を求めるのも無理と…

〔そっか、じゃあこの世界で手段を見つけ出すまで生き延びないとな。神が居ないだけで、世界はちゃんと機能してるんだろ?〕


『はい、この世界を創った神は、素晴らしいシステムを創り出したと思います。』


はは、絶賛だな。

〔具体的にはどう言う感じだ〕


『ではまず、この世界の基本的な事を、まずこの世界は、ヒトと魔物の均衡で成り立ってます』


〔魔物?動物と違うのか?〕


『いえ、この世界に貴方様が言う"動物"は存在しません。動物の変わりが魔物ですが、魔物は突如出現し、ヒトに害を齎す者で似つかぬ者です』


〔ふむ、この世界は魔法の有無は〕


『能力としてあります。この世界のヒトは、満5歳の時に"カード"顕現し、カードの中には、そのヒトの強さの位ランク、大まかな素質、能力、罪歴、などの情報が入っており、色々場面で活用します。倒した魔物はこのカードに吸い込まれ、国や街の要所にある。"ギルド"と言う場所でカードを提出し、倒した魔物のポイント化と魔物素材を剥ぎ取りを致します。ギルドからの討伐依頼なら賞金が貰い得ますね』


〔ポイント?お金と違うの?〕


『ヒトはこのポイントに消費して、基礎能力強化や、能力取得などが出来ます、基礎能力はそのヒトの素質によって自動に振り込まれます。数ある能力はポイントで取得は出来ますが、ポイントで強化はできません。使い続けて強くなり熟練された能力になります。

また、能力はある程度、子に遺伝されます』


〔ならヒトはどんどん強くなるじゃ無い?〕


『500年に一度の最上位の魔物の種がランダムの地域に誕生し、過度に発展した国への魔物の大軍で進行し、発展、人口の増加を抑制するシステム"魔王イベント"がありますね。過去に2回あった様ですが2回とも国が4つほど崩壊してますね』


〔えーっと当時の国の数は?〕


『1回目のイベントは7カ国、2回目は8カ国で最初期にあった国は全部滅ぼされてます』


あー…ほぼ壊滅か。

〔これ儂が介入して良いかな〕


『良いんじゃ無いでしょうか?現在貴方はこの世界の神では無いのですから…あ、もちろんこの世界の趣旨を理解してくださいね』


この世界の神では無いか。

この世界の神は不在、大まかに管理してるのが「システム」と言う名の無機質な神


儂ができることは限られてるな。


〔端末は何が出来る?〕


『私はこの世界の"カード"の役割と"ギルド"の役割を果たせます。後、普通カードにはの収納能力があり、生きた物以外の50種の物が1種1t入ります。財布としても使え、収納機能の他にお金を入れる事が出来、入金上限はありません。

私のカード能力は、収納機能は生きた物以外の10万種の物が1種無制限に入り、財布機能は普通のと同じです。

他にも様々な機能持っていると自負してます』


この後、この世界のお金の事も聞いた。

この世界の通貨は"システム"が管理している世界共通通貨であり、

下から

小鉄貨、鉄貨、大鉄貨、小銅貨、銅貨、大銅貨、小銀貨、銀貨、大銀貨、小金貨、金貨、大金貨

となり全部の硬貨が100枚で上の硬貨1枚となる。


通貨の価値を聞いて見るが

『子供の遠出のオヤツは鉄貨3枚』

と言ってきた。


『わかる人にはわかるネタです』

との言

意味が分からない




〔ちなみに儂の能力は?〕


『こんな感じですね。カードに出します』


名前:薬毒之神(仮)

種族:不明


■基礎能力

 心:35000

 技:35000

 体:35000

 魔:0【改変不可】


神格能力〈完全隠蔽〉

 【薬と毒の司る神の能力】

  薬品創造、調薬、薬品鑑定、薬草鑑定

 【土と金属を司る神の能力】

  鉱物創造、金属加工、鉱物鑑定

 【虫を司る神の能力】

  虫創造、虫使役、虫召喚/退散、虫鑑定

  虫進退促進

■能力

 【念話】

 【全言語認識】


 Spt:0


『流石は神と言ったとこでしょうか。私は貴方様をこの"世界"に"ヒト"として認識されてました。よって能力を習得できる様です』


儂は『神』の肩書きに固執してないから今はどうでも良い。

〔えっと、この基礎能力は強いの?

【魔】は魔法関係なのはわかるが、儂は使えないのか…〕


『【心】は精神と思考速度【技】は精度と回避力、【体】は体力と耐久力、【魔】は魔力。

貴方様は魔法がなくても、ほぼ無条件で使える神格能力があります。その能力は最上級魔法に匹敵しますよ。因みに今現在のヒト最強はこんな感じですね』


 心:185

 技:213

 体:230

 魔:196


〔おふぅ、儂はヒト最強の100倍以上ですか〕

『因みに生物には|限界値〔カンスト〕と言うのが有りまして、個々の者には素質があり、上限にはバラつきがあります。

ヒトの各数値の最高値は1500程です。

この世界の生物の限界値は各9999程です。

それ以上の数値は所謂バグチートと言うことになりますね。

あと基礎能力の閲覧はシステム閲覧権限持ってる私しかできませんので』


つまり、どう足掻いても、この世界の者達は儂の能力値にたどり着けないと言うことか。

後、サラッと、とんでもないことをカミングアウトしたな。システム閲覧権限ってなによ。



今は聞かなかったことにしよう。


〔前回の魔王の能力分かる?〕


『こんな感じですね』


 心:120

 技:113

 体:730

 魔:50


…体力おばけだな。

でも人が倒せないって訳では無いな。

ならどうしようか


〔端末、次回の魔王出現は?〕


『5年後です。魔物の種は分かりません』


5年か。

じゃあとりあえず動こうか。まずは…


〔端末…じゃ味気ないかな。…君はスクナ、

儂は神では無いのなら、これからはヤドクって名乗る。よろしくなスクナ。〕


『ええ、よろしくお願いします。ヤドク様』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る