3-3
目が覚めて、時間は3時過ぎ。。
約束の時間は4時。。
姉もいつのまにか寝てしまったらしく
私は姉を起こして
もう一度病院に向かった
そして、言われた事は残念な知らせだった。。
(結論から言うと。。膀胱が膨らまない)
先生はズバッと言った
そう言われた瞬間、姉はボロボロと涙を流した。。
私は、泣きたかった、けど 泣いている姉の代わりにも キチンと聞かなければならない
覚悟をして、続きを聞く
先生も姉を心配する言葉を掛けてくれた
(そこで、どうするかです、二つあるんですが 決めるのは飼い主さんたちです)
その方法の一つは手術無しで、薬治療で膀胱を治す方法と手術で治す方法だった。。
前者は、お金は差ほど掛からない、けれど時間は掛かるえ上に、確率は低い
後者は、確率は9割りだが、お金は15万程だと言う
正直、手術する、が5割り お金の事が5割りで迷った
そしてそんな自分を悔しく思った。。
何故なら、その時は私婚約者を亡くしてしまい、精神的に病んで、少し前に失業したからだ。。
今は貯金の切り崩しの生活だった それに家では父がお金にだらしが無く
本来は母を助けなければいけないのに
私情で仕事を休んでいて心苦しかったからだ。。
けれど、おこげも助けてあげたい
ただぼーっと立ち尽くした、どうしたらいいか解らなかった
先生は
一度、家の人達にも聞いてみてくださいと言った
そして姉が電話をする
母に説明をして、途中で私にもと、姉が携帯を差し出す
母は手術しても大丈夫と言ってくれた私は目に涙を溜めたが、それを堪えた
電話を切り。。その事を先生に話すと
こう言われた
(解りました、これであの子も今日から家族ですね)
そう言われた瞬間、少しでも助かる可能性が確保された事と 今までの緊張からと
(家族ですね?)と言われた罪悪感で 私は一気に涙が溢れて、泣きじゃくっていた
先生も驚いていた
さっきまで冷静でいた人が、目の前で突然泣き出したのだから
(大丈夫?)と、何度も繰り返し言われ
一旦、外の空気を吸いに病院を出る
姉はその後の説明を代わりに聞いてくれた
外で気持ちを落ち着かせてから、五分位が過ぎた頃
病院の扉を開けて、待合室に入ると
姉がソファーに座っていて、私も隣に座ると、変わりに聞いてくれていた事を説明してくれた
その内容は大体は金額の事と、猫の名前をどうするかだった
そして、最後に同意書の確認の為に
私が落ち着いたら、声を掛けてくださいと言われたらしい
先生の所に再び行き、二人の同意を伝えて、深々と頭を下げて宜しくお願いしますと口にした
そして、飼うことは決めていたので私は名前を、おこげですと医師に伝える
先生は 笑顔でお預かりしますと言ってくれた、そして帰る前におこげちゃんの顔を
見てってくださいと言ってくれた
私達の前に先に、お見舞いに来ている人が居たので
順番を待ってもう一度、ソファーに腰を掛ける
そして、部屋から出てきたのは老夫婦の二人で、その直ぐ後ろから
私達の相手をしていた先生とは別の獣医の人が現れた
老夫婦は(出来るだけ。。。無いように宜しくします)良く聞こえづらかったけど
私達同様に何かをお願いして、帰っていったと思う
そこで(おこげちゃんの飼い主さん)と、声が掛かり
二人で呼ばれた部屋に入ると
ゲージに入ったおこげは、か細く枯れかかった声だが
確実に口の動きは私達に反応して (にゃー)と言ってくれているのは解った
ケージの穴から鼻筋をなぞると、苦しそうな顔で、グルグルと喉を鳴らしてくれる
10分程たった頃で、先生がそろそろと、笑顔で申し訳なさそうに言う
私は最後に(おこげ、頑張ってね、また会おう)そう伝えて部屋を出る
おこげは、伏せをしたまま這いずる様にこっちを見ていた
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