イモータルアクセス

ケイオス

第1話 戦闘装甲

空は青い、だが地面は赤い。

どうやら少々到着が遅れたようだ。あたり一面血なまぐさい。

薄暗いしあたり一面ボロボロ。ガラスが飛び散り微かな光が差し込む。なんだがお化け屋敷みたいだ。


多少の犠牲を覚悟し、前え歩き出す。足元に散らばるガラス片を踏み潰した時のパキッパキッという音が事件が起きたという事を思わさせる。


もう少し早ければ、と正義感ありありなセリフを思いついたが、言わないでおこう。


するとピーピーピーという機械音が鳴り響いた。

敵の襲撃かと身構えたが違ったらしく、鳴っているのは自分の腕に付けてる腕時計だった。

少々顔を赤らめながら、点滅しながら音を鳴らしている腕時計をコツンとつく。


すると腕時計から後ろが微妙に透けて見えるくらいの薄い青色をしたモニターが腕時計から繋がるように出てきた。


現在時刻、位置、天気など色々載っている画面の右上の方の電話マークに赤いアイコンが付いており、プルプル震えていた。


そしてそれをタップ。クルクル回るロード画面のあと、すでに録音されたであろう音声が自動的に再生された。



「こちら本部より連絡。犯人はここ何度も強盗を繰り返していた例のグールプ、8人いるうちの3人は戦闘装甲を着用しているようす。見つけ次第排除ではなく確保してください。


これ終わったら一緒にご飯たべよ!」




最後のは明らかに余計な連絡である。しかし飯をおごる約束はもうしてしまっているのでしかたない。

早く終わらせなければ。



そういえばグールプの8人のうち3人は戦闘装甲を持っているらしい。

これは楽しくなりそうだ。


暗闇の中冷たい風をかき分けるようにひたすら走る。そして奥まで行った所で頑丈そうな鉄扉を発見した。そして何も考えずとりあえず蹴り飛ばした。

手で開けるのがめんどくさかった。



かなりひらけている空間に出た、そして黒い袋の様な物を大量に詰め込んだ黒い車が一台。その周りに全身黒尽くめの明らかに犯人なやつらが8人。

お前ら黒好きなのな。



「な、なんだテメェー!」


「何がなんだテメーだ、もうそのセリフ聞き飽きたわ。どいつもこいつも最初会ったらナンダテメー。

流行ってんのぉ?そのセリフ」


大体の強盗団はナンダテメーからのヤッチマエーで戦闘に入る。お前ら少しは勉強しろバカちん。


「お前らが金盗んでた強盗団でしょ? おら早く降参しな、盗むより働いた方がいいぞー」


「お前...ギルティースラッシュだな?」


「見りゃ分かんだろ、そうだよお巡りさんだよー!」


「テメェらやっちまえぇぇ!!」


ほらヤッチマエーで戦闘だよ、だから勉強をしなさいアホちん。まぁ最初は戦闘装甲してない5人が来るだろう、最初はそいつらからだな。


「・・・・!」


5人が同時に動き始めてから数秒数え、かなり近づいて来た所でで勢いよく地面を蹴った。相手はみなかなり長めのナイフを所持している。

地面を蹴り飛ばし相手5人との間を一気に縮める。

急に近づいて来てビックリしたのだろうか、一斉に立ち止まりバランスを崩す。そこを見逃す事なく一番近い真正面のヤツの足を払い、倒れ床につく瞬間、足が浮いた時に足を掴み右にぶん投げた。


「ォォォラァア!!」


右に並んでいた2人を巻き添えに吹き飛んだ。

腹を思いっきり殴られた時の様な声を発しながら3人倒れ込んだ。


あと2人ッ!


チンピラを一人ぶん投げ、片足で立っていたので、

半回転して片方の足を地面につけ、再度蹴り飛ばし1人に向かってタックル。有無も言わさず吹き飛ばす。


そしてあと1人。


「ま、まってくれ!見逃してくれ!」


弱々しい声でおっさんが助けを求めている。

さっさと吹き飛ばすか。


そう思い座り込んでる最後のチンピラに蹴りを入れようとした時。



ドオオォォォォオオン!!


何がが爆発する様な音と風切り音がした途端、後ろに吹き飛ばされた。すぐに態勢を戻し前を見た。



「あ・・・・がっ・・・」


おっさんの頭を怪しげな赤い光を放つ細い棒の様な物が貫いていた。血が吹き出し、辺り一面真っ赤に。


そしてその光の棒を目で辿ると、そこには残りの3人、のうち一人が立っていた場所に赤い光を走らせ、腕を前に突き出し赤い光線を発射させた人の形をした機械の様なものが居た。



「役に立たない奴は殺す。足を引っ張るだけだからな」


「ふぅ〜ん、ここまでの道のりがやけに血に染まっていたのは、アンタが役に立たない仲間を殺していたからか」


「あぁそのとうりだとも」


黒のカラーリングに赤い線を身体中に走らせたデザインの「戦闘装甲」は腕から発射した光線を下に降り、おっさんを真っ二つにした。


「いつのまに身に纏ったんだな、俺が5人の相手をしている時かな?」


一人だけじゃない。

本部が言っていた戦闘装甲をもつ3人は、すでに戦闘装甲を身に纏っていた。


黒のカラーリングに赤いラインを走らせた装甲。

茶色と赤を使ったカラーリングのゴツめの装甲。

紺色に所々緑が使われているカラーリングの装甲。


犯罪人にしては中々かっこいいいじゃないか。

お前らギルティースラッシュに入った方が良かったんじゃないかと。一人密かに思った。


「さぁ君も早く纏いたまえ、正々堂々勝負しようじゃないか」


「3対1の時点で正々堂々もクソもねぇ〜よ」



腕時計をタップ、青いスクリーンの左側。

「Armor on」と書かれたボタンをタップ


戦闘装甲を着用しますか? YES/NO


というロゴが出て来た。


「それじゃあ、正々堂々行かせてもらおうかな?」



YESを選択


スクリーンが自動的に閉じられた。



次の瞬間自分の足元が少し青白く光だし、辺りに青色の電流が走る。


髪の毛が逆立ち、服もかぜになびかれている。

そして目を閉じ、両手を少し広げた。


キュイイィィン!!


モーターが勢いよく回る様な音が鳴り響き。

辺りに光の粒子がただよう。

そして粒子が足元に集まり出し徐々に形になっていく。そして魚の鱗が貼られる様な感じに段々と装甲が構成されていく。



徐々に粒子が上に上がっていき、その後に真っ赤な装甲が構成されていっている。


「それじゃあ、はじめるか」


体の周囲が光り輝きそれがパッと消え去ると、まだピチピチと電流が微妙に残っている中もう一機の機械が姿を現した。


全身真紅色に包まれ、所々に光るオレンジ色のラインを走らせた装甲。

無駄な装飾があまり無く、頭部装甲は三角形の様な形をし、中世の騎士の兜の良いなデザインの戦闘装甲は、そう言った。







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