よろず何でも相談社
いちごはニガテ
第1話 不意の問いかけ
「ゆりこ君、先ほどの相談者達を君はどのように思ったかね?」
社長の不意の問いかけに、いつものごとく私は言葉につまり答えることができなかった。
「確かに新年早々訪れた相談者達の依頼は共に奇妙奇天烈なもので、それぞれ本人も其の依頼内容も異なるものではあったが、彼らには興味深いことに或る共通する鍵がある、其れが何か君にはわかったかね?」
おそらく油で固めているのであろう跳ね上がった口髭を撫でながら、ん?といった顔付きで社長が更に難題を求めてくる。
「えーっと…失礼ですけど…お二方ともに心がヤンデるかと…」
恐る恐る出た私の声は、か細いものだった。
「いや、そうじゃないよ、ゆりこ君!」
私の声とは裏腹な大きな声が遮った。
驚きに肩がすぼみ、小柄な身体がますます縮んでしまったかのように私は感じてしまう。
「鍵とは虫だ!そう、多分に性別も職も年齢さえ違うであろう二人の示す鍵は、虫と云う言葉なのだよ」
社長の声が社内の隅々に響き渡る。
そうは言っても此処はただの雑居ビルデングの一室で、社長である
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