剣客活劇のアラビアンファンタジー!

ザファルバーン王国の歓楽街、カタスレニア。決して治安が良いとは言えない下町の酒場にふらりと現れる、三白眼の青年シャーは不思議な魅力を持ち、何故か周囲は無一文の彼に奢ってしまう。女の子には全くモテないが、妙に人を惹き付ける彼の正体は……。

王位を巡る混乱の後、病弱で籠りきりの若い王に代が変わったばかり、政情不安定な国ザファルバーンは王位を巡る争いを中心に、様々なトラブルが起こります。そんなトラブルに巻き込まれ、または自ら飛び込むシャーくんと対峙する、それぞれに過去と信念を持つスゴ腕の剣客達。その手に汗握る対戦が魅力的な作品です。シャーくんのギリギリまで相手を殺さず、なるべくダメージを軽くしようとする戦い方。一見、無謀で甘く見える彼の思いに触れて集う剣客達。この彼等の剣を交えての交流が、古き良きチャンバラ時代劇のようで、とても心地良いです。各話のラストも清々しく、読後感も気持ちいい剣客活劇です。