魔剣呪状

◆登場人物紹介◆魔剣呪状

※シャルル=ダ・フールの暗殺までのネタバレを含みます。


◇シャー=ルギィズ

・三白眼に癖毛長髪の長身痩躯の住所不定無職。本作の主人公。公称二十三歳らしい。

・相変わらず飯をたかっているのだが、連続通り魔事件が起こるという物騒なご時世の為にくいっぱぐれてしまうが、どうやらジャッキールがかかわっている気配を感じて今回は最初からやる気。

・かつて対戦したジャッキールには一目置いており、再戦したい気持ちとしたくない気持ちが半々。向こうが本気でやるなら、こっちも今度こそぶっ殺すと思ってはいる。かつて東征に参加した際、戦場で青兜(アズラーッド・カルバーン)と呼ばれていたことがあり、ジャッキールにはその名で呼ばれる。

・剣士としては、スピード重視型。極東から来たという長剣イトキリを使いこなすが、当地では特殊な刀なので割と目立つ。


◆リーフィ

・酒場で働いている看板娘兼踊り子。相変わらず無表情だが、最近シャーは表情がわかるようになってきた。やはりちょっと天然ボケ気味。変なところで度胸が据わっているので、シャーは逆に落ち着かない。好奇心旺盛なので、事件と聞いて内心ドキドキしている。同業の女の子たちからは相変わらず慕われている。

・シャーとはいつの間にか探偵と助手的な立場になってしまい、いつの間にやらヒロインポジションに落ち着いた。


◇ジャッキール

・流れの傭兵で黒衣の剣士。シャー曰く、プライドが高くて黒くて無駄に頑丈なおっさん。経歴年齢不詳。

・一見高圧的な態度を取り、高飛車な男だと思われがちだが、正々堂々としていて高潔。一方、戦闘中に極度の興奮状態に陥ってしまう悪癖を持ち、見境がつかなくなることがある戦闘狂でもあり、敵味方関係なく恐れられていた。稀代の美男子ではあるが、血生臭い気配を持つせいか人が寄り付かない。

・かつて国王シャルル=ダ・フールの暗殺計画に絡み、シャーと対戦したことがあり(シャルル=ダ・フールの暗殺参照)、その後王都を離れていたが、何故かこのたび舞い戻ってくる。その目的とは?

・剣は西渡りの両手剣を得意とするが、その剣術は天才的でシャーを凌駕するほど。シャーも彼には一目置いている。冷静な時の彼は技巧派であるが、熱狂時は荒々しい剣技を見せる。ハルミッドより、もともと所持していた魔剣フェブリスを受け取った。


◇ゼダ(ウェイアード=カドゥサ)

・通称ネズミ。悪徳商人カドゥサ家の御曹司。童顔で小柄。普段は大人しい男を演じて、付き人のザフに影武者をさせているが、本性は腹黒い二重人格。派手な衣装を着こなす伊達男。

・今回は自分が疑われている気配を感じて、おとなしくしている一方、事件に興味がある。シャーのことは一方的に気に入っているらしく、よくからかいに来るが、シャーの方が過剰に反応してしまうので面白がられている。

・鎌剣という特殊な剣の使い手。基本的には喧嘩殺法だが、左利きの為、ただですら読みづらい太刀筋が非常に読みづらく、シャーは彼と相性が悪い。


*


◇メハル

・王都の刑事事件をつかさどる国王直属の部隊の隊長。大柄で色黒の精悍な男。意外にもキレ者として有名であるらしく、今回の連続通り魔事件を担当することになった。

・何かと事件をかぎつけてきているシャーのことを怪しいと思っている。ジャッキールと同じような西渡りの両手剣に精通しており、腕前もなかなかのもの。


◇カディン卿

・ザファルバーンの名門貴族の一人だが、不良貴族として悪名高い。剣の収集家。


◇ハルミッド

・王都郊外に住む鍛冶屋。刀鍛冶としては名工として知られており、特に西渡りの段平などを得意としていた。ジャッキールとは古くからの知り合いであり、彼の持つ剣フェブリスを手掛ける。彼はもう一つ魔剣メフィティスを作り上げていたのだが、何者かに殺害された。


◇ラタイ

・ハルミッドの弟子。愛想のいい青年。


◇テルラ

・ハルミッドの弟子。ラタイの弟弟子にあたり、やや不愛想な青年。


◆パリーア

・連続通り魔事件の目撃者。ジャッキールらしき黒衣の男を殺人現場で見かけている。


 *


◇ザフ(ザッフール)

・ゼダの付き人。普段は影武者。実はゼダとシャーが遊んでいるのをあまり快く思っていない。シーリーンの世話をしており、ゼダにそろそろ落ち着いてほしいと思っている。


◆シーリーン

・妓楼にいる妓女。病気で行き場所を失くしていたところを、ゼダが義侠心を出して拾い上げて養生させている。ゼダに惚れこんでいる心優しい大人しい娘。


◇カッチェラ

・シャーの舎弟その一。情報通で皮肉屋。


◇アティク

・シャーの舎弟その二。優しく思いやりがあり、シャーにも割と優しい。


  *


◇ハダート=サダーシュ

・銀髪碧眼の将軍でザファルバーン七部将の一人。なかなかの二枚目で、普段は優雅に振舞っているが、実は毒舌家で皮肉屋。秘密組織ともつながりがあり、諜報を司ってもいる。噂では犬猿の仲とされているジェアバード=ジートリューとは実は親友であり、何かとつるんで悪さをしている。情報のやりとりにメーヴェンという烏を飼っており、溺愛している。

・シャーには比較的好意的。かつては化かし合いのようなこともしていたが、平和になったせいか、最近はすっかり協力的で彼をからかって遊んでいる部分もある。


◇ジェアバード=ジートリュー

・赤い髪の軍閥ジートリュー一族の当主でザファルバーン七部将の一人。大兵力を持つため彼の影響力は凄いが、本人は政治にまったく興味がなく、あくまで軍人の一人として国につかえている。ハダートとは親友。


 *



◇シャルル=ダ・フール=エレ・カーネス

・カーネス朝ザファルバーン国王。二代目。先王セジェシスが戦場で失踪したことから始まった内乱を制して王位に就く。病弱であるらしく、あまり姿を現さない。

・実はその正体は、かつて青兜(アズラーッド・カルバーン)と呼ばれていた将軍であるシャー=ルギィズ自身。前王セジェシスの庶子であり長子であった為、内乱終息の為に将軍たちの推薦を受けて即位したもの。しかし、そもそもシャー自身は王位に就くつもりがなく、内乱の終息の為に即位したこと、軍事はともかく政治に今までかかわっていなかったことから、義兄のレビ=ダミアスを身代わりにして執務についてもらっている。

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