前夜:シャルル=ダ・フールの暗殺
◆登場人物紹介◆シャルル=ダ・フールの暗殺
※シャルル=ダ・フールの暗殺は、本編より時系列が少し前のお話です(一、二前、前夜の話となります)。
◇シャー=ルギィズ
ザファルバーンの王都のカタスレニア地区にひっそりと住み着いた変な青年。
見事なまでの三白眼とくるくるの黒髪のポニーテールが印象的。時に変質者と間違われるほど怪しい風体であるが、本人は軽くてお調子者なだけ。人にたかるのがうまく、無一文で酒場にやってきては、周りに恵んでもらっている。
臆病で喧嘩には弱いが、どういうわけか人に好かれる方で、酒場では「兄貴」と慕われている。踊りがうまく、同姓同名の男と呼び分けるため、カタスレニアのシャーというあだ名で呼ばれることもある。
惚れやすく、さらに振られやすい。
推定年齢、二十二、三歳。
◆ラティーナ=ゲイン=サーヴァン
シャーを大親分のシャー=レンク=ルギィズと間違えて、酒場にやってきた娘。
気が強くて意地っ張りな感じだが、目的のために、一途に突き進んでしまう危うさを持っている。
シャーにうっかりと国王暗殺を依頼してしまった上、彼に一目惚れされてしまい、どうしたものか考えている。
◇ハダート=サダーシュ
ザファルバーン七部将の一人。銀髪の上品な貴族といった外見で、その通り物腰が柔らかい。
だが、実際は、主替えを何度も行った不実者であり、シャルル=ダ・フール付きの武官たちのなかでの信頼度は低い。
将軍だが、武術よりもむしろ知謀を買われている模様。近頃ラゲイラ邸に入り浸っているようだが……。
◇ジェイブ=ラゲイラ
ザファルバーンの貴族で富豪。
でっぷりと太った男だが、その外見と合わず慎重派で知能派。案外、常識人あり、本人は手荒なことはあまり好かないようだ。反シャルル=ダ・フール派最大の勢力であるが、用心深い彼が口を閉ざしているため、その実体をつかんでいる者はほとんどいない。
◇ジャッキール
ラゲイラに雇われている傭兵。ラゲイラからの信頼が厚い一方、彼から特別待遇を受けている為、周囲の反感を買ってもいる。
陰気で流血を好む好戦的だが、意外に考え深い一面も。どういうわけか、シャーとの戦いを望んでいる。彼とかつて面識があるらしい。
◇ザミル・リヴィート
王弟。ラハッドの弟で内乱時は第三王子だった。
◇ラハッド
王弟。内乱時はシャルルに次いで第二王子であり、王位継承が見込まれていたが、暗殺される。
◇カッファ・アルシール
ザファルバーン宰相。
元々は武官の為、ややぶっきらぼうで不器用。シャルルの教育担当者であり、後見人のような存在。
◇アティク
シャーの舎弟。気の弱い大男。心優しいためか、シャーに酒をたかられる回数は、他の連中の倍ぐらいある。
◇カッチェラ
シャーの舎弟。毒舌家で頭の回る青年。アティクとは仲がよいらしい。なんだかんだでシャーに無茶をいうが、シャーのことは気に入っているようだ。
◇シャルル=ダ・フール=エレ・カーネス
現ザファルバーン国王。長子であり、第一王子ではあるが、庶子であった為、王位継承者としては見込まれていなかった。現在も、病弱で政治ができないため、宰相のカッファに政治を一任しているらしい。
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