記憶屋~忘れたい過去はありますか?~

@shungen

第1話 再会

・・・

えみ「やっぱりもう会わないほうがいいと思うの・・・」


俺「え、なんで??」


えみ「しゅんちゃんのことは好きだけど先はないし、最近色々考えてて罪悪感がもう限界・・・」


俺「そんな今更・・・」


俺は30歳独身。飲食店を三店舗経営していてそこそこお金は持ってる。結婚願望は無くてついさっきまで不倫していた。はやりの人妻との不倫だ。


彼女はえみ。

学生の頃のバイトの後輩で1年前偶然カフェで再会した。当時付き合っていた彼女もいてその頃全然意識もしていなかった俺はそんな目で彼女を見たことは無かったが7年ぶりに会った彼女はものすごく綺麗な女性に成長していた。


俺「えみじゃない?え、めっちゃ久しぶりやん!覚えてる??」


えみ「加藤さん!?覚えてますよ~~!元気でしたか~??」


ものすごくテンションの上がった様子でえみは握手してきた。


7年前、バイトで後輩として入ってきたえみは可愛く人懐っこい性格で特に可愛がってた後輩だった。


バリバリ仕事をする俺をみていつも

「加藤さんかっこいい~」

なんて冗談半分に言っている子だった。


彼女は半年くらいでバイトを辞めてしまってそれ以来連絡もとっておらずFacebookやSNSでちらちら近況は見ていて綺麗になったなーとは思っていたがこれほどとは・・・。


俺「えみ、めちゃくちゃ可愛くなったなー!いい大人の女性って感じ!」


えみ「全然そんなこと無いです!!もうすぐ27歳ですからおばさんですよー!」


彼女はバイトを辞めた後ネイルの仕事を大阪で少しした後5年前結婚して地元の広島県にかえり、一人でネイルサロンを経営していた。


旦那は海外を飛び回る金融関係の仕事。

週に1度帰ってくるかこないからしい。


俺「今、たしか広島でしょ?大阪で何してるの?」


えみ「ちょくちょくモデルの仕事もさせてもらっててたまに大阪に遊びにくるんです!今日も今から撮影で!」


俺「そんなんや!またちょくちょく来るなら大阪次来たとき飯でもいこうよ。」


えみ「ほんとですか!?絶対いきます!」


俺とえみは連絡先を交換してわかれた。


久しぶりに会って綺麗になったえみに少しテンションはあがり、すぐにご飯の約束をした。


まぁご飯行くだけだし久しぶりに沢山喋りたいこともあるしな-。

そんな気持ちで約束した。


当日。


俺は格好つけたいのもありいつもお気に入りの女の子を落とすときにつかうイタリアンレストランの窓側のいい席を取っていた。


えみ「うわぁ~なんですかここ!凄いところですねー!!」


俺「そう?たまに来るねん。」


2人での思い出話はめちゃくちゃ盛り上がった。


俺「そうなんやぁ~~!結婚してもう5年になるんかー!子供は?」


えみ「なんかタイミングずれちゃって、欲しい時期終わっちゃいました。笑 今は仕事楽しいんでこっちたまに遊びに来たりしながら楽しく自由にやってます!」


弱いはずの酒をまぁまぁのペースでのみながらえみは良く喋った。

どうやら旦那とは仲は悪くはないもののラブラブってわけでは無いらしい。

海外を飛び回る仕事なのもあってほぼ家に帰ってこれず付き合っているときから遠距離恋愛で結婚したいまもずっと一人暮らしみたいな生活が続いている。


俺「それはおもしろくないなー!彼氏とかつくらへんの?笑」 


えみ「ははは!周りにもよく言われるんですけどねぇ~!でもわたしそういうの無理でご飯いったりはしますけど不倫とかは全然ないんです。」


俺「えらいねー!俺つい3日前に彼女と別れたばっかでさぁめっちゃさみしくて。えみみたいな彼女いたらめっちゃいいよなー俺別に結婚願望ないし。」


冗談半分、もともとチャラい方で遊んでた俺は気軽に彼女にそんな事を言っていた。


えみ「ほんとですか?そうなったら面白いですねー!」


あってなかった間の二人の出来事や彼女の結婚してからの話、俺の仕事の話、あっという間に時間は過ぎた。


俺「あー面白かった-!もうこんな時間やん。この後は友達んち行くんだったよな?車だし送ってくよ。」


えみ「ありがとうございます!」


仕事用のベンツで来ていた俺は


俺「ごめん、狭い車で」


えみ「え、全然良い車じゃないですかー!」


送っていくまで30分くらいあったとおもう。俺のお気に入りの串カツ屋で有名なお店の話になった。彼女もずっとそこに行きたかったらしく、


えみ「そのお店ずっと昔から行きたかったんですよー!連れてって下さい!」


俺「いいよ。じゃあ予約とるな。」


そんな約束をして目的地到着。


俺「じゃあね、また連絡するよ」


えみ「今日はありがとうございました!めちゃくちゃ楽しかったです!串カツ屋までももし時間あったらまたご飯いきましょ」


今思うとそんなに何も考えてなく、自然に言葉がでた。


俺「じゃあバイバイのチューしよっか」


えみ「え!?無理です無理です!恥ずかしくてそんな事できません!」


俺「いやならいいよ。笑」


えみ「嫌じゃ無いですけどあたしからは出来ないです!!してきて下さい」


俺「分かった。じゃあ・・・」


こうして2人の〈特別な関係〉が始まった。


 


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