カクロボ甲子園

なんの前触れもなくおもいつきで始まる。

いつものキチノベですはい。


今回は「バディドール」からクラウソラス。

「アーカディアン」からオーラム。

「リレイジ」から氷蓮。

「廃惑星」からサンダーチャイルドつきたてもちもち。

「ルマイナシング」からスクナライデン。

「エルンダーグ」からエルンダーグ。

「アルカシード」からアルカシード。

「ガンフリント」からセンチュリオン。

「ピージオン」からピージオン。


が参戦してくれました。

ご協力頂いた各作者様には感謝を。


――――――――――――――――――――



 

「さあカクロボ甲子園もクライマックス! 九回の裏、得点差は僅か一点! 最後の攻防です!」

 

 金獅子のレリーフが目立つオーラムがマウンドに立つ、パウダーを掌の上で軽く遊ばせた後地面に落として投球フォームにはいった。

 大きく両手を振りかぶり、左足を上げてから地面を突き刺すように振り下ろして接地し、右手に握ったペンギンダーを豪快に投げた。

 

 ペンギンダーはジャイロとなり、バッターボックスに立つクラウソラスのストライクゾーンへ真っ直ぐ飛んで行く。そして捕手のスクナライデンが構えるグローブに突き刺さるように収まった。

 

 審判が「ストラーイク!」と叫ぶ。

 

「さあオーラム選手がストライクを一つ取りました。解説のサンダーチャイルドさんはどう見ますか?」

 

つきたてもちもち今のは反応できなかったというよりは、観察した感じですね

 

「成程、二投目からが勝負ですね」

 

 オーラムが二ペンギン目を投げる。クラウソラスはタイミングを見計らってバットをフルスイングするも、虚しく空を切った。

 

「ストライクツー!」

 

「おおっと空振り、クラウソラス選手あとが無い」

 

つきたてもちもち一点差で負けてますからね。一塁には駆け込みたいでしょう

 

「そしてオーラム選手、振りかぶって……投げた!」

 

 三投目、クラウソラスは渾身のフルスイングで当てる。ペンギンダーは空高く上げて外野へと向かう。レフトフライだ。

 レフトについている氷蓮が全速力で走る。全身の包帯とマントを翻らせながら目視で落下地点を算出する

 ペンギンダーはみるみるマウンドへと落ちる。このままクレーターをつくるのかと思いきや、氷蓮が前方へ飛んで目一杯伸ばした腕のグローブに収まった。

 

 氷蓮を讃える歓声が湧き上がる中、二体目の打者ことエルンダーグがボックスに立つ。

 長い腕と鍛え上げられた筋肉美が特徴の黒い機体だ。

 

 オーラムがペンギンダーを投げる。

 エルンダーグがバットを振る。

 しかし、バットにペンギンダーは当たらず、代わりにエルンダーグの手にペンギンダーが命中した。

 

「おおっと! デッドペンギンだ!!」

 

つきたてもちもちエルンダーグは手が長いからストライクゾーンが横にずれるんですね

 

 エルンダーグは一塁へ向かうが、手の怪我が酷いのかベンチに下がることになった。

 代走はアルカシード、同じく手の長い筋肉モリモリな機体だ。

 

「ワンアウト、一塁。これは厳しい、おや? 氷蓮選手も交代するみたいですね」

 

つきたてもちもちどうやら顔を捻挫したようです

 

「顔に包帯巻いてるのはそういう事だったんですね」

 

 センチュリオンがボックスに立つ。白のユニフォームに、細い体躯、そして体格にそぐわない巨大なブルームユニットバット

 

 オーラムが投球フォームに入る。ペンギンダーを投げる直前、アルカシードが走り出した。

 盗塁だ、オーラムは驚いてストライクゾーンから離れた場所に暴投してしまう。スクナライデンが何とかキャッチして二塁へ送球しようとするも、時既に遅し、アルカシードの長い腕が二塁ベースを捉らえていた。

 

「流石は盗塁王拳王機の異名を持つアルカシード選手!」

 

つきたてもちもちさっきのデッドペンギンが堪えてますね

 

 気を取り直して、オーラムがペンギンダーを投げる。

 センチュリオンはブルームユニットバットをスイング……せず、横向けにして両手で構える。的確に芯を狙って当てて、ペンギンダーを一塁側へと転がす。

 送りバント、オーラムが走りペンギンダーを拾って一塁へ送球、アウト一つ取ることに成功するが、アルカシードを三塁まで走らせてしまった。

 

「センチュリオン選手、堅実にいきましたね」

 

つきたてもちもちとにかく一点取れば延長戦に持ち込めますからね

 

「そして次の打者は今試合最も高い打率を誇るピージオンです 」

 

 湧き上がる歓声と共に件のピージオンがバッターボックスに立つ。頭につけた女神像と白いユニフォームは泥にまみれて汚れていた。

 

つきたてもちもちピージオンは今試合、独特の打法を魅せてますからね、これは手強いですよ

 

 オーラムがペンギンダーを投げる。ピージオンは上半身を極端に前へ傾ける、そしてそのままさせて頭の女神像でペンギンダーを捉えた。

 

「ファール!」

 

 ペンギンダーは背後のフェンスに刺さった。

 

「惜しい!」

 

つきたてもちもちですがこれでオーラム選手の目の色が変わりましたよ

 

 オーラムが渾身の力でペンギンダーを投げる。強烈なジャイロ回転のかかったペンギンダーは魔球と化してストライクゾーンを目指す。

 ピージオンは再びアッパースイングで女神像を振る、女神像の芯がペンギンダーを捉える、しかしペンギンダーは一向に前へ飛ばない。

 

「これはどういう事だ!?」

 

つきたてもちもちペンギンダーと女神像が鍔迫り合っていますね

 

 火花を散らすこの戦い、軍杯はピージオンに上がった。接地している分踏ん張りの効くピージオンが強引に前へ飛ばしたのだ。

 ペンギンダーは高く飛んでいき、程なく客席に落下して周囲を吹き飛ばした。

 

「ホーーームラン! ピージオン選手がきめてくれました! しかしオーラム選手の健闘も素晴らしかった!」

 

つきたてもちもちおや? ピージオン選手の様子がおかしいですね

 

 ピージオンは未だバッターボックスに立ったままだった。

 ホームランを打った時の姿勢のまま。

 ホームに戻ってきたアルカシードが様子を伺う、即座にハンドシグナルで整備士救護班を呼び出した。

 

「えー、どうやらぎっくり腰になったようです」

 

 

 

 

 

 

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