役者人狼 〜if 短編集〜
@yukisiro_kei
IF コロシアイループ
みつき視点
人狼が終わり、その後 生き残ったメンバーで行われ続けた コロシアイ ゲーム…
ついに 勝者が決まった…。
私はもう、叶える願いなどない。強いていえばどうか、お二人のどちらかが勝ってくれればいいと願いながら続けた このゲーム。
しかし、運命は残酷だった。
GM
『それでは 発表いたします。
今回のゲームの勝者は…
胡蝶 みつき さんです!!!』
胡蝶「!?」
GMの発表に驚いた私はパッと後ろにいた二人を振り返る。
魚暮「…まぁ。仕方がないかな。」
苦笑しながらいう魚暮さん。
鶴木山「うむ。ワシらも潮時のようだ。」
納得している鶴木山さん。
そんな…っ!
こんなのはおかしい。間違ってる!!
胡蝶「そ、そんなっ!待っ、待ってくださいまし!!わ、わたし、が…っ!」
諦めた様な二人に、私は〔二人が死ぬくらいならそれを代わろう〕と声を上げる。
けれども、その提案は スッ と手をだした魚暮さんに止められる。
魚暮「そんな事しなくていいんだよ 胡蝶くん。ゲームは皆平等だったんだからね。」
鶴木山「そうだ。そしてそのゲームで負けたのはワシら。負ければ死ぬなど 初めから分かっていて受けたことだ。お前が気に病むことではない。」
胡蝶「で、でも…っ!」
魚暮「それに、私としてはね。ずっと求めていた死に場所が見つかったんだからいいんだよ。むしろ……。君が生き残ってくれてよかった。」
胡蝶「う、魚暮…さん……」
にっこりと笑う 魚暮さんに続き 鶴木山さんまで頷く。
《……これ以上は 何も言うな。》
そんなプレッシャーまで感じてしまい もはや自分には何も出来ないと痛感してしまった。
胡蝶「……わかりましたわ。」
最後に魚暮さんは私の頭に手を乗せ
魚暮「……きっと、 あの子も生きていたら君くらいだったんだろうな…」
と呟いた。
胡蝶「あの…こ…?」
私が聞き返しても 苦笑して
魚暮「なんでもない。すまないね 胡蝶くん。」
GM
『さてさて。感動的なお別れもこの辺にして そろそろ処刑と行きましょうっ!!! 今回の処刑はーーーー』
そして残酷にもGMによって 目の前で2人は殺されてしまった。
胡蝶「う…うぁ…ぁぁぁあ!!」
あまりの惨さに 膝から崩れ落ちて泣いた私。何をしているのだろうか。
もう願いなんてないのに。なぜ私が勝ってしまったのだろうか。
こんな私のせいで みんなが殺されてしまった。私はただ 見てるしかきなくて…泣くことしか出来なくて…悔しくて悲しくて…
願いなんて… 叶わなかったじゃない…っ!!
GM『それでは 胡蝶みつきさん。今回生き残った貴女は願いが叶います。何を願いますか??』
それでもGMは無情にも願いを要求してくる。
胡蝶「私の…願い……」
ニコニコしている不気味な仮面をつけ、蘇らせた あの男の子の…
……… 蘇った…?
…あぁ そうですわ。
私にも あるじゃない。
願いが。 叶えたいものが。
こんな世界 確実に誰か死ぬなんて
あってはならないことですわ。
誰も彼も 死ぬべき人達じゃない。
私は今 望めばなんでも叶う。
それなら…
それならばいっそ………。
胡蝶「私の願いは…………………………。」
ーーーーーーーーーーーーーー
胡蝶「それと。君 ではなく。私の名前は 胡蝶みつき ですわ!」
これからどんなゲームをするかも、どんな人達に会うかもわかりませんが。
私にも 貴方のような普通の人と普通に友達になれるのかしらね……。
本当に………願イハ…叶ウノ………?
〔コロシアイループ end…?〕
ーーーーーーーーーーーーーー
GM『さて、胡蝶みつきが本当に叶えた願いとは 何だったのでしょうか?
彼女は罪を忘れ、何も知らないようにまたこのゲームの上に立っている。
繰り返されるゲーム。
彼女は一体、後、どれだけ戻れば 気が付くのでしょうね……?
戻ることの 無意味さを… ふふふ…。』
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